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脱獄者と赤い月

York Music Project
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脱獄者と赤い月
(words & music:York)
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深く溺れた小説の中の世界
そこには描いた未来など存在しないから
遠ざかってった微かな期待を胸に
今ここから脱け出すよ

冷たく規則正しく並べられた罪の数
やりきれない想い抱えた者が叫ぶ

爪を噛み過ごす日々が
いつからか麻薬のように
頭の中を麻痺させようとしている

闇に包まれた見せかけの幸福に触れる時
不意に素肌がむず痒くなる

鎖で繋がれた楽園のような生き地獄
自由も不自由もあやつられている
傷を舐め合う慰め愛の遣り取りが
その足を腐らせてゆく


ハイエナが目を光らせる道を通り過ぎた時
大事なものを落としてしまった気がする
それに気が付いて遠くの高い空を見上げたら
赤みのかかった月が浮かんでいたんだ

油断したその隙に牙を剥き合いながら
笑顔の記号を無表情で表示してる

たった一つの願いで象られた
虚像を実像にする為にここまで来たけれど
犠牲にしてきた記憶が古傷のように
この胸を痛めつける

通り抜け禁止の道
錆びついたあのフェンスを今飛び越える
越える…


仕掛けられてる甘く切ない罠
欲望がその誘惑に噛みつかれそうになる
誰も愛さずに生きることができたなら
流されて行くのも悪くはないけれど

気付かないまま誰かを傷つけてる
やるせない意識ばかりが針のように刺さり
肥大化していった愚かな想いは捨てて
今ここから脱け出すよ

赤く燃える月の下で

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