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13|境を超える

映画 「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)」

以下鑑賞直後は「どえらいもんを見た」しか言えなかった……
以下感想メモ。

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・性別不明のフラットなキャラデザイン
・背景美術のデフォルメが鬼
・作画の躍動感が変態
・アクションシーンのカメラワーク鬼畜
・効果音の入り/抜きのタイミングが神
・レスキュー判断と対応の描写
・胸元ぽんぽんで死
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開始5分でその可愛さから永遠に見てられると思ったし、10分経つ頃には「もう事件とか何も起きなくていいからこのまま皆の穏やかな生活だけ2時間見ていたい」と願った。

映画なのでそうもいかず、色んなことが起きて大変なストーリーなのですが、中国の古と現代の文化・街並・風俗諸々の描写の衝撃波。獣の動作が、妖精が、情景が、共存への問いが、代わるがわる押し寄せる劇薬。

レイトショー明け午前3時の新宿、シーンを思い返しながらコンビニで買った月餅を齧り、帰り道を真反対に1km歩く程、衝撃は凄まじかった。

一歩踏み出す力

色んな人の感想を見てニヤニヤしていたら「今起きていることを考えると複雑な気持ち」と評する人をちらほら。わくわくと比例して心に薄暗い影が落ちる。

戦争、移民問題、感染症、民族統一、人種差別。日々の暗いニュースから、まだ行ったことのない国に色んな負のフィルターが差し込まれる。

そんな中で出会ったこの作品は光明だ。
好きというエネルギーは最強。知りたい、近づきたいという原動力になる。その国の人や文化、歴史をもっと知りたいと思わせてくれる力がある。
「習うか、中国語」と言い出す人もいる。
かくいう私も中国建築書を再び漁りはじめた。

持つも壊すも自分次第

先入観は自分で持つものだけど、それを壊すのも自分だ。
鼻の先まで近づくくらい好きになってしまえば、そのものの歴史や思想、色んな事が見えてくるし、見て見ぬ振りもできなくなる。

美しい物語が世界を変えるきっかけになることだってあるかもしれない。

監督やスタッフ陣に会えることがあるのなら、めちゃめちゃ大好きの花束を贈りたい。見たことのないアジアのこれまでとこの先を、もっともっと描いてください。

羅小黒戦記、我最爱你
我为员工鼓掌

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