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「オシャレ」と「快適」のバランスについて考える、ホテル泊。

秋に奈良を訪れた際、素敵なホテルに宿泊した。
興福寺のすぐそば、閑静なエリアに位置する『MIROKU 奈良』だ。

館内はモダンでありながら、和を感じられるお洒落なテイストで、客室にも「古都」を感じられるデザインが散りばめられていた。

奈良は1300年前に「都」として栄えた地。
たくさんの重要文化財があるこの特別な場所で、その「雰囲気」をホテルでさえも味わえるのはとても贅沢な時間だった。

わたしは、「コンセプト」のあるホテルが好きだ。
なぜなら、そういったホテルには、創り手の「ぬくもり」を感じられるから。

しかし、実際に泊まってみると、コンセプトホテルの「ハイセンスさ」と、ホテルに求める「快適さ」バランスが気になってしまうことがある。

例えば、今回であれば、窓が障子格子だったため、朝陽とともに目覚めてしまうこと。(旅先では寝付くまでに時間がかかるため睡眠不足に……)

さらに、お風呂場には「桶」がなく、洗顔をする際や、お風呂のお湯をすくいたい時などは、不便を感じてしまった。

このホテルに決めた理由のひとつが、

「千年以上守られ続けている原子林と鹿とともに暮らす地に寄り添うことを目指して、サスティナビリティへ取り組んでいる」

というポイントにあった。

だからこそ、ためたお湯の「ひとすくい」で済むような場面でも、毎回シャワーを使わなければいけない状況に、ちょっとだけ心がざわざわしてしまったのだ。

他にもクローゼットではなく「壁掛け仕様」のため、衣類の置き場にやや難があったりと、「デザイン性」と「快適さ」のバランスの難しさを肌身をもって感じたのだった。

以前東京で宿泊した「ミニマル」をコンセプトにしたホテルでも、同じようなことがあった。

部屋が狭く身動きが取りにくかったり、電子ケトルの常備がなかったり(フロントで貸し出ししていることを最終日に知った)など。

コンセプトホテルだからこそ、時として、「快適さとのバランス」が難しい。

それでもわたしは、「コンセプトがあるホテル」が大好きだ。
なぜなら、そこには人間の「愛」を感じるから。

通り一辺倒に作られたビジネスホテルよりも、はるかに想いが込まれている。
その「想い」というものが、お客さんにじんわりと伝わるのだ。

今回宿泊したホテルも、古都の雰囲気を楽しみつつ、そのハイセンスさのなかに身をおける、とても素敵なホテルだった。

ホテル泊というのは、とても学びが多い。

なぜなら、基本的に「必要十分」なモノしかないからだ。
それなのに、そこには「こだわり」だったり「強調したいポイント」が見え隠れする。

そんな「ホテルライク」な空間づくりを、我が家にも取り入れたいと思っているからこそ、ホテル泊で得た学びはとても貴重だ。

今回のホテル泊で得られたこと。
それは、「オシャレさ」と「快適さ」のはざまにある「バランス」について考えてみる「時間」だった。

いつも読んでいただきありがとうございます☆