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大きな責任を果たす、小さな選択のために―― SDGsを知る旅に出ます

はじめまして。ヤシマジュリーです。
私はハリズリーという会社でPR担当をしながら、サステナビリティマネージャーをつとめています。

といっても、まずハリズリーをご存知ない方がほとんどですよね。

ハリズリーはランドセルで知られる土屋鞄製造所を母体にした企業で 、モノづくりブランドの運営や支援などを行っています。

温故創新で、つかい手も、つくり手も、豊かにする

そんなミッションのもと、土屋鞄をはじめ、カラージュエリーブランドのBIZOUX、切子硝子を扱う室町硝子工芸といったモノづくりブランドの運営や、歴史ある酒蔵さんとの協業も。そして日本から新たな世界ブランドを創り出していこうと邁進しています。

ただこのnoteでは、ハリズリー社のPRは少しはしっこに寄せておこうと思います。

私がここで発信したいのは、国連が掲げた世界を変革するための17のゴール「SDGs」にかかわるトップランナーの方々に直接うかがったお話。

PR担当としてではなく、サステナビリティマナージャーの肩書に恥じぬよう、気候変動に代表される環境問題や、飢餓などの食料問題、あるいはジェンダーの不平等といった、未来を変えるためのアクションについて、学んでいきたい。そう考えているのです。

なぜか?

それはSDGsが、モノづくりブランドを手掛ける私たちにとってはずせないものであり、答えを行動で示すべきとても大切な宿題だから。そのわりに、私自身がまだまだ世界が掲げている課題や問題を、何も知らない状態であったからです。

むしろ消費者としても、ビジネスパーソンとしても、地球環境や社会課題に“良くない行動をとってきたかもしれない” 反省と怖さをつよく感じてもいました。

文房具もキャリアも“理由”がほしかった。

心動くものしか、身近に置きたくない
小学生の頃から、強いこだわりがありました。

「ボールペンならあのメーカーしか使わない。書き心地も造形もとっても気持ちがいいから」
「ペットボトルの水はこのブランドがいい。形もロゴもスマートだから」
「カットソーはあのブランドとこのブランド以外、買いたくない。肌触りがよく、着ているだけで心が弾むから」

自分が使うモノ、身につけるモノ、すべてには「どこがどう気に入っているか」説明がつかないと気がすまない性分でした。

モノを選び、使うことは、使わないなにかを切り捨てることでもあります。美意識を積み重ねることでもある。その積み重ねが私という人間をつくる。
「なんとなく…」でモノを選ぶことは、なんとなく人生を歩むことになるそれは嫌だなと考えていたのです。

なんて、すこしキレイに言ってますが、本当の本当はそんなふうにモノを選ぶ「美意識の高い人間だ」と周囲に思ってもらいたい自分もいました。いや。今もちょっとだけ、いますね(笑)。

キャリアも同じでした

心動く、理由が明確な職業に尽きたい。
意識とステイタスが高い人間になりたい。

だから子供の頃はお医者さんになりたいと夢を抱いていました。人の命を救う、尊い仕事だと考えたからです。
途中、弁護士を目指し、司法試験に挑戦したのも、そう。憲法の言葉にうつくしい理想と思想を感じ、その近くにある職につきたいと思っていました。もちろんステイタスも高いなあと(笑)。

けれど、本当に一番心を動かされたのは、写真でした。

中学生の頃から、フィルムカメラで人や風景を撮るのが好きで、ずっと撮り続けてきました。弁護士をあきらめたあとは、写真学校で学び直し、好きだったフォトグラファーを師事。写真スタジオでも働きました。

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2009 Nikon FM3A/kodak GOLD

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2010 Hasselblad 503CW/FUJIFILM400h

その後、写真を中心にしたビジュアルコンテンツの制作会社に入社しました。そこでは立ち上がったばかりのコーポレートコミュニケーション部門の配属に。オウンドメディアの立ち上げを行い、ビジュアルとストーリーで自社そのものや事業の魅力を伝えるスキルを積み上げられたことは、とても財産になりました。

その財産をHRの領域に活かすため、IT系メガベンチャーの採用ブランディング職に転身しました。HRに特化したオウンドメディアの起ち上げや、ヘルステック事業のPRなどを手掛けました。

ハリズリーにたどり着いたのはその後です。

自分が納得する理由をもってキャリアを積んできましたが、どこか満たされてない気持ちがありました。

ビジュアル表現も、ITサービスも、どこか手触りがない。質感のある、実体のあるモノづくりに関わりたい。そう考えPR担当としてハリズリーに参画したのです。伝統的な日本のモノづくりを世界へ。高い視座での挑戦にも魅かれました。

そして、大きな「責任」に出会った。

ものをつくる責任と、そして自分と地球の間に。

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2020 CONTAX T3/FUJIFILM

ハリズリーに参画してすぐ、土屋鞄をはじめとした各ブランドを手掛ける職人の方々のすばらしい仕事ぶりに触れて感動しました。その裏にある素材の選定、シビアな生産ラインの調整があり、モノづくりの一挙手一投足がプロダクトを生み出す大切な仕事なのだ、と身震いもした。

同時に、そうしたすべての工程でも多くのエネルギーを使うことで、CO2を発生させる。幅広いサプライチェーンがあるからこそ、そこにかかわる大勢の方の生活や価値観にも何かしらの影響を与えることにも気づかされました。

バッグ、ランドセル、アクセサリー、器。
すべてのモノづくりには、多くの資材が必要になります。資材の原料は植物や動物や鉱物です。ものをつくるということは、こうした自然を切り崩すことでもあるからです。

これまで携わってきた写真やデジタルコンテンツ、ITサービスももちろんエネルギーを利用するのですが、ものづくりはさらにダイレクトに地球環境や社会の営みに関わります。モノづくりとは、大きな責任を背負った産業だと感じたのです。

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2017 Hasselblad 503CW/FUJIFILM400h

それからです。
SDGsの言葉が、ぐっと身近に聞こえてきてくるようになりました。急激な気候変動、海と陸の資源の枯渇、あらゆる格差、はびこる差別……。世の中にはいまだ多くの社会課題があり、良くも悪くも巨大になった経済活動、企業活動がそれに大きな影響を与える事実が、自分ごととして触れられるようになりました

またそれは地続きに自分の生活にもつながっていることも再認識しました。目を凝らすと、世界にはアンフェアなトレードがあります。そうした事件や悲劇が、いまだ多くあることに気づいたのです。おしゃれで安い洋服や雑貨が、実は子どもたちや移民など、社会的に弱い立場の方々の過酷な労働に支えられていることもありえる――。

振り返ると、恥ずかしくなりました。

「心動くものしか触れたくない」「美意識とステイタスを満たしてくれるものを選びたい」。心地よさだけを求めて続けてきた自分の消費行動も、もしかしたら知らないだれかの過酷な労働環境に支えられていたのかもしれない

もちろん、モノづくりに関わる人間としては、環境や人権、世の中への意識は、いちばん真ん中に置かなければいけないモノサシだと心に刻みました。

だから、私はあらためてSDGsを知る1歩を歩みはじめることにしたのです。

自分がモノや暮らしや仕事を選ぶときにする小さな選択が、大きな責任を果たすと知ったから。SDGsに関して先を走っている方々にお話を伺って、私自身が、まず学びたい。そう思ったからです。

この小さな学びが、私の中に溜まっていくと同時に、ハリズリーグループのモノづくりのスタイルに染み渡っていったらうれしい。共感していただける多くの友人と出会えたらもっとうれしい。誰かのなにかの選択を変えて、世界と未来が少しだけより良いほうへと変えられたなら、うんとうれしい。

そんなことを思いながら、SDGsを知る旅に出ようと思います。

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2017 Hasselblad 503CW/FUJIFILM400h

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