道草植物図鑑No.12「コミカンソウ」
一歩外に出ただけで感じるむわっとした熱気。
しゃがんで道端の草を眺めているだけなのに、だらだら流れる汗。
夏の道草観察は、気合いがいる。
どうしても外に出るのが億劫になってしまう。
けれども、夏はこの植物に出会える。
その名も「コミカンソウ」!
ぱっと見はオジギソウのような姿形ですが、
オジギソウとは違うコミカンソウ科の植物です。
(オジギソウはマメ科)
この植物を見つけたら、まず目線を植物と同じ高さにしてみてください。
なんと、葉の裏側にはとても小さな、
ミカンのような実がなっているのです!
なんて可愛いの!
植物と目線を合わせないと見つけられない、
小さな秘密をこっそり共有したみたい。
そんな、ロマンチックな気分になっちゃいます。
よく見ると、実がついているのは枝の根元の部分だけ。
コミカンソウは、枝の先に花粉をつくる雄花、
根元に果実になる雌花をつけるのだそうです。
ちょっと失礼して、葉っぱを裏返してみます。
お花も小さくて、慎ましやかでとっても可愛い!
花は蜜がたっぷりで、アリの食事場になっているそうです。
ちなみに、葉っぱを手で触っていると、
オジギソウのように葉を閉じてしまいました。
オジギソウみたいにぴゅん!と一気に閉じるのではなく、ゆ〜っくり。
私たちが植物に対して何か働きかけたとき、
反応が返ってくるのって時間がかかるし、
なんならその反応が小さすぎて私たちには感知できないことも多い。
だから、私たちが分かる形で反応が返ってくるってなんかちょこっと嬉しい。
嫌がられていたら、申し訳ないけれども。
これから、暑い夏本番。
水分補給はしっかりしながら、楽しく植物観察をして夏を乗り切ろうと思います☀️
コミカンソウ
Phyllanthus lepidocarpus
コミカンソウ科コミカンソウ属
在来一年草
花時期 : 7月〜10月
生育地 : 路傍や畑地
出典 : 街でよく見かける雑草や野草がよーく
わかる本/岩槻秀明
雑草・野草の暮らしがわかる図鑑/
岩槻秀明
美しき小さな雑草の花図鑑/
多田多恵子・大作晃一
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