構想中の香水の話(2024.6)

　こんにちは。先月から相変わらずスランプ気味です。
　突然ですが気分転換に、以前から趣味の調香(超スローペース)で構想中のフレグランスの紹介をします！

野球モチーフの三部作

たかが野球、されど野球。投げられた球を打ち返す、このシンプルな競技はときに不思議な魔法を放ち、観客や選手を魅了する。
そんな魔法にかけられた、ある劇的な試合を、三つのフレグランスで表現しました。

調香メモより

　その名も「序」「破」「急」の三作。試合に秘められている繊細かつドラマチックな流れを能楽や舞楽（転じて芸能全般）の構成になぞらえて名付けました。
　コンセプトとかネーミングは数年前に考えたもので、今となってはやや気負いすぎている感もありますが、せっかくなので当時の勢いを甦らせて完成までもっていきたいものです。

　それぞれ、大まかな配合までは考えてあり、試作もいくつか作ってます。それぞれの香りを以下で紹介します。

序

観客が集まり始めた球場は、お祭りのような雰囲気。わき上がる高揚感のなか、静かにプレイボール。ゲームはまだ動かない。
試合の展開に期待が膨らむ、まっさらでワクワクする香り。始まりの香り。

　試合開始前後のイメージ。
　爽やかに風が吹きわたるグラウンドは、シトラス系の香りで表現。全体的にすっきりした香りのなかにほんのり甘く香るホワイトティーなどが、試合開始前後のワクワク感を盛り上げます。
　一番完成に近づいてる作品です。

破

均衡を破って、ついに先制の一撃。相手も負けじとこちらのエースを攻略にかかる。ファインプレーも飛びだし、両者一歩も譲らぬ熱い展開。
盛り上がるゲームに心震える、華やかな香り。

　試合中盤。
　しょっぱなからハーブがガツンと香り、先制パンチのあとには華やかなローズがスキのない打線を彩ります。ブラックペッパーが盛り上がる試合を感じさせつつ、全体を引き締める役割。
　スパイシーハーバルって感じに仕上がるといいなあ(難航中)。

急

スター選手の見事なサヨナラホームラン！　鮮やかな結末を反芻し、心地よい気だるさを感じながら観客たちは帰路につく。
ゲームの余韻がほんのり漂う、落ち着いた香り。

　試合終了。
　シトラスやフローラルのニュアンスを漂わせつつ、バイオレットの落ち着いた香りをベースとして、夜をイメージ。最終的にサンダルウッドなど、よりリラックスできる雰囲気に。
「破」と同じく難航中。最終的にはガラッと変わるかも。

　ここまで書いておいてなんですが、完成のめどは立っていません(笑)！
　最近は調香に携われない時間も多かったので、基本をおさらいしながらゆっくり組み立て直していこうと思います。
　あまり期待せず気長にお待ちいただけると幸い。

予定は未定

　構想ばっかり膨らんで手が動かないタイプなので、他にも作りたいものはいっぱいあります。好きな小説モチーフとか、推しモチーフとか、もっと漠然としたモチーフとか。
　もちろん既製品の香水も好きなので、今後はそういう話も色々できたらいいな。
　読んでくださった皆さまも、好きな香りや作ってみたい香りがあればぜひ教えてください。