時間軸の違う映画「離ればなれになっても」考

年始最初の映画はこちら。

https://gaga.ne.jp/thebestyears/


年末年始にハリウッド映画とアートを題材にしたドキュメンタリー映画を録画していたものを消化していたので、ここらで劇場で、しっかりとしたヨーロッパ映画を。ということで。

あんまりネタバレさせずに、書いてみようと思います。
見るつもりの人は読まないほうがいいし、予告編さえ見ないほうがいいと思います。

この映画、派手に感動して泣いたり、大いに笑ったり、ハラハラ・ドキドキしたり、全くしないのですが、ふと立ち止まって今の自分に対して、いろんな事を考える映画でした。

もう50も越え、子供も小学生になっていたりするからこそ、

なのかもしれない、立ち止まり方です。

あのとき、あっちに進んでいたら、私の人生はどうなっていたのだろう?とか、あのとき、社会がああなっていなかったら違う人生になっていたかも?そういう人生の中にある自ら選んだ選択肢や選ばされた選択肢などが、違っていたら?と映画の登場人物たちの人生が交錯する中で、タラレバを考えてしまう。だけれども、今の自分がここにいるのは、あのときあの選択をしたからで、それが正解だったのか?ではなくそれを正解としたいよね、と思う自分の気持ちがあったりすることに気がついたりします。(いまのマクドナルドのCMみたい)

そして出てくる人物の構成が、ドラえもんみたい!

って多分そんなことを思う人居ないと思うけど、のび太くんとスネ夫とジャイアンとしずかちゃんが高校生から子供が巣立つころまでつながっていく感じ。

そりゃ、途中色々あったわ。みたいな。

それをすべてが後日談のような語り口で紡いでいく。
最近の映画って時間軸が短いものが多いよな、と思っていた。
事件が起こって解決までのとか、バスケ一試合とか(もちろんその中にそれぞれの人生は入っていたけど)、地球滅亡を防ぐまでの、せいぜい半年くらいの。
人の一生となるとどうしても大河みたいな、連載漫画みたいな、シーズンを1と2に分けてみたいな、スケールで描くしかない!って感じで。

そんなことないですね。
大草原の小さな家もゴッドファーザーも全裸監督も、
多分2時間で描く手法があるんだな。と改めて。

平日の夕方に行ったので日比谷の映画館は1割も入っていなかったけど、もっと多くの人に見てもらいたい映画でした。

おすぎさんが活躍している時代であれば、絶対大げさにテレビで「ほんっといいのよ〜」と騒いでいたであろうような映画でした。

配信やDVDにならないかもなので、ぜひ劇場で。

たくさん恋をしてたくさん迷ってたくさん寄り道した人ほど色々感じられる映画かと。

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