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ぽんこつな日ほど夕飯品数が多くなる

「今日は絶不調だなってときほど、たくさん料理をつくってしまうんです」

6歳2歳の母でもあるSちゃんの言葉に私は深くうなずいた。わかる、わかるよ。私もそう、と食い気味に相槌をうつ。

私とSちゃんの間にはいくつか共通点があった。ふたりとも休職中でずっと家にいること(私は育休中、Sちゃんは先日会社を辞めた)。仕事をしていない現実に漠然とした不安を感じていること。子どもを保育園へ送りだしたあと、束の間のまとまった時間で「未来につながる勉強を…何か…!」と焦っていること。

「家事はちゃっちゃとすませて、自分時間をなるべく確保したいと思っているんですが…」

Sちゃんは続ける。

「でも、今日はどうしてもダメだ―っていう周期があって、そんなときはまず『料理』が効率的にできなくなるんです!」

献立を決めないまま冷蔵庫の食材をかたっぱしから調理する。もちろん時間配分や平行調理にまで頭がまわらない。気がつくと台所に籠って一日が終わってしまう……。

「そんな日は、あーあ、今日も家事に追われて勉強もなんにもできなかったなぁ、とさらに落ち込んでしまいます」

ああ、すごくよくわかる。私もこれまで、同じように感じた日が幾度もあった。今日も貴重な時間を浪費してしまった…とがっくり肩を落とした。

でも、

「夫には、『晩ごはんの品数が多いときは、わたしがぽんこつな日だから気を付けてね』と伝えています」

えへへと笑いながらSちゃんは話す。そんな彼女をみていると、ぽんこつな日だって案外わるくないんじゃない?と思えてきた。

タスクを効率的にこなすことと同じくらい、台所でだらだらと思案にふける時間もいまの私たちには必要なのだ、よね?


ヘッダーの写真は、気力体力ゲージが限りなくゼロの日につくった昼ごはん。冷蔵庫にあったありったけの食材をワンプレートにのせてみた。うま!

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