見出し画像

一億に至る日々に愛を込めて

不動行光の経験値が一億を超した。

刀剣乱舞を初めて1,130日。不動行光をお迎えして1,097日。大阪城の地下を掘っている間に、累積経験値が極大太刀のカンスト基準値を超え、そして一億を超した。

不動行光を愛している。私は、不動行光を愛している。

累積経験値は、ただの数字に過ぎないのかもしれない。けれどこの数値は、私が不動行光と共に歩んだ日々を含んでいる。一億を超えたいま、ひとつの区切りとして、愛と感謝をここに示そうと思う。

不動行光を愛するまで

私が不動くんに初めて出会ったのは、舞台刀剣乱舞の『虚伝〜燃ゆる本能寺〜』だった。刀剣乱舞を初めて五日で刀ステに手を出したので、ゲームよりも先にメディアミックスの不動くんを知った。

実況ツイートをしていたTwitterのアカウントは今インターネットの波間を漂っているので、当時の呟きを遡ることはできない。虚伝の内容も細かいところは覚えていない。けれど、そこで不動くんが気になったことははっきりと覚えている。彼の後悔、葛藤、叫びに心を強く揺さぶられた。

すぐにゲームでもお迎えした。ドロップだったか、鍛刀だったかは記憶にない。部隊に編成して、合戦場を回った。資源ドロップボイスで「かわいい!」となり、誉ボイスや本丸ボイス、中傷以上の手入れボイスで、彼の後悔や愛に触れ、愛おしく思った。へし切長谷部との回想にも心を動かされた。

史実も勉強できているわけではないし、刀剣『不動行光』にも刀剣男士『不動行光』にもまだまだ詳しくはない。知らないことの方が多い気もしている。それでも、私は不動行光を愛している。もっと知りたい、理解したいと思っている。

不動行光は、真面目で不器用な、誠実で愛情深い刀剣男士だと思う。
「愛された分を主に返すことができなかった」と自責し、「俺だけ直ってもさ……」と後悔し、「あのとき、これができてれば……」と過去を思う。かつての主を愛していたのだ。いや、愛しているのだ、いまも。

不動行光は自分が愛されていることを知っていたから、それに応えたかったのだ。しかしそれは、彼の思う方法では叶わなかった。
愛を受け取ることも、また愛であると思う。不動行光は十分愛された分を返していたと思う。
それでも彼は、自分を責める。「ダメ刀」と自分を嘲って。その真面目さ、不器用さ、愛情深さに、愛を注がずにはいられなかった。

修行へ

不動行光は、弊本丸でかなり早く修行に出た。不動くんの手紙を読んで、私は三日とも泣いた。不動行光が酔っ払っていた理由は、甘酒に逃げていたその理由には、いつの間にか後悔だけでなく、今の本丸を失う恐怖も含まれていたのだ。

私は、不動くんの「主」になれていないのだろうと思っていた。それでもよかった。けれど、不動くんは、私のことを主だと思うようになってくれていた。そして本丸が焼け落ちる恐怖を乗り越えたいと思うようになっていたのだ。

不動行光は苦悩の末、無事に帰還した。甘酒が抜け、キリッとした姿、声の不動くんを見て、私は壁に張り付いた。比喩ではなく、本当に壁に張り付いた。帰還の知らせを受けただけでべそべそに泣いていたのに、あまりの格好良さに涙も引っ込んだ。

恐怖が完全には消えないまま、それでも本丸を守るためにどこまでも強くなる、と宣言してくれた不動行光は、眩しかった。光だった。不動行光が好きだ、と思った。

不動行光のおかげで生きている

ここからは、かなり個人的な話になる。

刀剣乱舞を初めてすぐ、体調を大幅に崩した。起き上がることすら満足にできず、実家へ回収された。

実家でも寝てばかりで、苦しい日々が続いた。身体が動くようになっても、世界は真っ暗で、出口のない暗闇に放り出されているような気持ちだった。毎日のように泣いていた。難しいことは何も考えられず、逃げるように布団に籠った。

ずっと、もがいていた。なにもできない、役立たずで落ちこぼれ、出来損ないの私。生きている意味がわからなかった。生きている価値がないと思っていた。

そんななか、唯一できたのが刀剣乱舞だった。ゲームを開けば、刀達が私を迎えてくれた。初期刀のむっちゃんを初め、大切な存在がそこにはいた。重たい気持ちにならず話しかけることができたのは、彼らだけだった。

そして私には、不動行光がいた。

修行前(初)の不動くんが「俺はダメ刀だよ」と言うたび、「そんなことない」と必死に声をかけた。不動くんに自分の価値を思い出してほしかった。不動くんは自分が愛されていたことを知っていて、それをきちんと受け取っている。愛される価値があることを知っている、その自負がある。けれど、「ダメ刀」と自分を責めることをやめられない。苦しんでいる不動くんを、その苦しみから解放してあげたかった。私も、価値がないと苦しんでいたから。
「ダメ刀なんかじゃないよ」と話しかけ、「愛してるよ」と祈った。不動くんが「ダメ刀だからって舐めんな」と戦って、闘っている姿を必死に応援していた。

不動くんに「あなたはダメ刀なんかじゃない」と声をかけるたび、私はどこか救われていた。不動くんを愛し応援することが、私を生かしていた。不動くんに自分自身を重ねていたのかもしれない。不動くんを愛していると思うたび、「生きていてもいい」と思えた。不動くんへの愛が、私の一日一日をつなぎ止めてくれていた。

不動くんの修行による変化は、まさしく光だった。恐怖を抱えたまま強くなろうとするその姿は、眩しかった。その背中に、私は希望を見た。なんの根拠もなく、大丈夫だと思った。
不動くんが弱いまま強くなろうとしている姿は、私を勇気づけてくれた。「俺はダメ刀なんかじゃない」と敵を斬る不動くんを見て、嬉しかったし、救われた。自分も「出来損ないなんかじゃない」と思える日が来るだろうか、と思った。当時の私にとって、不動くんが戦い、闘う様子を見ることは、生きることだった。

初から修行を経て極になった不動くんの変化は、私を元気づけたし、それ以前に「不動くんが好きだ」と私に叫ばせた。ひたすら好きだった。眩しかった。その「好き」は、愛は、私を生かした。
不動行光が好きだ。ただただ、愛している。

不動行光を愛している

まとまりのないままの文章を差し出してしまっている。不動行光についてまだ勉強もできていないし、解釈も深められていない。夜中に書いたし、感情もぐしゃぐしゃなままで、読みにくいところもあったかもしれない。

でもこれが私の過去で、私の現在で、私の未来だ。ぐしゃぐしゃなまま、不動行光を愛している、とここに示す。不動行光に救われている。不動行光を愛している。愛している。

不動くん、ありがとう。
一億の経験値を得るために向かった戦場はいくつだろう。何回出陣しただろう。倒した敵の数はいくつだろう。何回怪我をしただろう。たくさんたくさん、戦ってくれてありがとう。

一緒に闘ってくれて、ありがとう。
あなたがいてくれたから、いま私は生きている。
あなたを愛している。

不動行光を愛している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?