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絶望だった物語が希望となった理由

僕は一度「物語作り」に挫折している。

シナリオライターとして理想の物語を紡ぐことが目標だった。でもその厳しさを思い知ってからは、夢とか目標とかそんなフレーズを思い浮かべては見て見ぬふりを決め込んでいた。

でも今再び「物語作り」と向き合っている。

今度はおそらく死ぬその瞬間まで目を逸らすことはないだろう。実はこれにはある人との出会いが関連していて、今日はその出会いについて文章を綴ってみようと思っている。

つらい記憶でもあり、そもそも自叙伝のようで語るに忍びないのだけど、「#あなたに出会えてよかった」というハッシュタグを見つけた時、どうしてか文章に残すことを決めていた。

自分の醜い部分でもあるし、本当は心の奥底に秘めておこうと思っていたけれど。それに、このハッシュタグのコンセプトらしい永遠の愛なんてものとは程遠い内容なんだけど。

ま、いっか。

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その人は漫画やアニメ、映画や小説といった物語を観たり読んだりするのが大好きな女性だった。わけあってその人と知り合った場もその経緯も話せないのだけど、その人は僕の作品を読んでくれていた。

物語作りというのは読み手がいないと成り立たない。誰かに届けたくて創作しているのだから当然だ。

その当時「物語作り」に挫折していた僕だけど、その人が作品を読んで感想をくれることが本当に嬉しかった。創作者の根幹なんてそんなもんだと思う。見て欲しいし感想が欲しい、それだけ。

ともあれ、その人のおかげで僕はもう一度物語を作りはじめたわけだ。

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ところで「リビドー」という言葉を知っているだろうか。

精神分析の用語なのだけど、いわゆる性的欲求を表す言葉であって、男性のそういった欲を軽蔑するような意味合いとしても使われるらしい。偉大な心理学者として知られるジークムント・フロイトとカール・グスタフ・ユングが使用していた言葉であり、知っている人も多いかもしれない。

この「リビドー」をフロイトは性本能として、生きることにまつわるあらゆる事象の原動力としていた。一方でユングは、性本能に拘らずさまざまな行動の根底となる心的エネルギーと捉え、広くこの言葉を用いたらしい。大体あっていると思うけど、興味のある人は正確な情報を調べてみたらいいと思う。

まぁ難しい定義はさておいて、その人との関わりから再び創作に取り組めたのは、僕にとって性的なソレも絡んだリビドーエネルギーのおかげだったわけ。不快に思われる方には申し訳ないけど、嫌悪されるようなことばかりではなく、シンプルな本能なんじゃないかって、僕個人はそう思っている。

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ちなみに今ではその人に作品を見てもらうどころか、連絡を取ることさえできない。これも事情があってその詳細を書くことはできないんだけど、当時の僕がとんでもなく愚かだったとだけ言っておく。

じゃあ今もまた「物語作り」ができていないかというと、冒頭で述べたとおりそんなことはない。その人と出会えたことがきっかけとなって、僕はまた夢と目標に向かって進みはじめている。

シナリオライターとして物語を紡ぎだすことの楽しさが、そしてそれをたくさんの人に見てもらいたいという欲が、願わくば全世界の人々に届いて欲しいという夢が、戻ってきたからだ。

そして、ここからは少し(かなり)気持ち悪いんだけど…。

その人に連絡をすることはもうできないけど、その人の目にまた作品を届けられるなら。そんな作品を世に出せたのなら。そんな思いに突き動かされているのも事実。その人とこんな作品を世に出したら面白いんじゃないか、なんて話もしていたんだけど、その作品を世に出してその目に届けることができたなら。

まるでタイムカプセルのように。

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僕は離婚も経験しているし永遠の愛なんて知ったこっちゃないけれど、こんな「#あなたに出会えてよかった」があってもいいのではないかと思ってnoteを書いた。

リビドーエネルギーのくだりから「忘れられない男」みたいな内容に繋がるのが、読み返してみればみるほど我ながら気持ち悪いけど。でもこれは僕にとって重要な出会いであったことには違いないから、経緯などはさておいて気持ちを素直に綴ってみた次第で。

そんなわけで、僕はこれからも物語を作り続けていく。夢と目標にこれからも向かっていける楽しさを噛み締めながら。

あなたに出会えて本当によかった。

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