ガンになったら死ぬのではなく、死ぬ原因がガンなのだ
ガンのことを調べていると生存率という言葉に出会う。
なかでも5年生存率というのがよく出てくる。
5年後特定のガンに罹患した人が、どれくらい生存しているかの率を表すものだ。
例えば、5年生存率10%なら、5年後、生き残っている人は、10人に1人、つまり、10人中9人は死んでいるということになる。
これで、ガンの悪質性とか進行具合を評価する尺度に使っているようだ。
ところで、5年で10%なら、6年目は、あるいは10年目はどうなるか。急激に下がって、10年目なんて0だろうと思うかもしれない。
しかし、現実はそうではない。
10年経っても生きている人はいるし、中には20年近く生きておられる方もいるようだ。
個人差が大きいという話で、ガンというのは、化学反応や物理原則のような経過をとるものではないらしい。
へえ、という話なんだが、今回はここがポイントではない。
5年生存率10%でも、10年、20年近く生きておられる方もいるということだが、じゃあいつまで生きておられるのか。
明確な記事は見つけられなかった。
5年を超えて生きた、あるいはガンが寛解した(治ったとは言わないらしい)としても、結局生き延びていない、死んでいる。
考えてみれば当たり前のことで、ガンが寛解したと言っても、不死になったわけじゃない。
人は死ぬのだ。普通は。(もしかしたら我々の知らないところに、不死の人がいるかもしれないが)
そこで、死因を調べてみた。
ほとんどの人は、最後にはなんらかの病気で死ぬ。
自然死、つまり老衰で死ぬ人は11.4%でしかない。
ここで気づいた。
ガンになったから死ぬのではなく、死ぬ原因がガンだということだ。
同じことを言っているように聞こえるかもしれないが違う。
ガンになっても死なない人もいるし、ガンでなくても死ぬ人はいるのだ。
しかし、人はガンに罹患すると大変なことのように思う。
それは死ぬ可能性が高いからだというかもしれない。
癌の5年生存率は64.1%、すなわち36%の人は死ぬ。
しかし、心筋梗塞の死亡率は、40%だ。
つまり、発症したら死ぬ可能性は、心筋梗塞の方が高い。
しかし、ガンになったことのほうが、心筋梗塞になる可能性が高いこと、例えば高血圧よりも大変なことのように感じているように思う。
不思議ではないか。
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