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太陽系で最も高い火山


https://apod.nasa.gov/apod/ap230404.html

火星のオリンポス山。
太陽系で最も高い火山として知られている。
高さは21.9Kmある。

太陽系で最も高い山は、レアシルビア(Rheasilvia)といって、小惑星ヴェスタ(Vesta)の隕石衝突によってできたクレーターにある、高さ21〜25Kmと見積もられている山。

最後の噴火は、2,500万年25,000年前と考えられている。
(どうやって、年代測定したのか、私には分からないが。)

ただ、この火山、すごく高いが、裾野が広い。
600Km程ある。勾配は、5%ほどしかない。
したがって、近くで見ると山とは見えない。
この山に登っても、なだらかな地面が地平線まで、ずっと続いている様に見えるだけだろう。

なぜこんな火山ができたのかというと、原因が2つある。
1つは、この火山が盾状火山(shield volcano)であることだ。


https://www.nps.gov/articles/000/shield-volcanoes.htm

この写真は、手前がキラウエア火山のカルデラ(2,280 m)、向こうのなだらかな山がマウナロア楯状火山(4169 m)。

見ての通り、山というよりなだらかな丘のようだ。
しかし、高さは4169 mある。また海底にある底辺は、160kmある。いかに幅広い火山かわかると思う。

これは、噴出する溶岩が、玄武岩あるいは安山岩で、非常に流動性が高く、遠くまで流れる。
そして、何百万年もかけて、何度も繰り返し新しい溶岩が古い山肌を流れ、その上に、漆塗りの様に層を重ねてできるので、このような幅の広い、大きな火山が出来上がるのだ。

オリンパス山が大きいもう一つの理由は、火星の重力だ。
火星の重力は、地球の約3分の1。
従って、溶岩も地球より、より緩やかに流れる。
その結果、この様な広大な火山が出来上がったと考えられているのだ。

標高20Kmというと、地球では成層圏になる。
それなら、ここの天文台とか作って天体望遠鏡を据えれば、宇宙に望遠鏡を持っていくより、大規模かつ運用も容易な天体望遠鏡ができるのではないかと考えた。

しかし、火星のダストストーム(火星全体を覆う巨大な砂嵐)は、このオリンポス山をも覆い尽くすらしい。
なおかつ、火星の重力の小ささもあって、この高度でも火星のチリが飛んでいるらしい。

というので、残念ながら、却下ですね。

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