溶ける太陽とヴィーナス
マグマ溜まりから湧き上がってきているような太陽。
その太陽の額に黒く刻印を押すヴィーナス(金星)
ドラマチックな映像だ。
場所は、黒海。
時刻は日の出の時。
太陽の下部が溶けて海に流れているのは、そう見えるだけ(言うまでもない事だけど)。
水平線上に冷たい空気の塊があると、光の屈折の関係でこのように見えるのです。
このような太陽をその形から、Etruscan Vase(エトルリアの花瓶)と呼ぶ。名付け親は、なんとジュール・ベルグだそうだ。
エトルリアの花瓶は、そう珍しい現象ではない。
みたことがある人もあると思う。
ただ、この現象にエトルリアの花瓶と名前があることを知っている人は少ないのではないか。私は知らなかった。
また、太陽が溶けた溶岩のように赤く見えるのは、これまた地球の大気の影響です。
日の出の時の太陽光線は、大気の中を長い距離を通って届く。光は、波長に短いものほど、大気によって散乱されやすい。その結果、太陽光の内、波長の短い青系統の光は散乱され、波長の長い赤系統の光が、我々に届くことになるので、赤く見えるのです。
珍しいのは、太陽に額部分にある金星。
金星が、この部分にあると言うのは、日蝕の金星版と言うことだ。
つまり、地球ー金星ー太陽と宇宙空間で一直線に並んだと言うことです。
その瞬間をこの写真がとらえた!
のです。
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