X線で太陽を見る
X線と紫外線で太陽を見るとこんな風に見える
太陽には、黒点といういうものがある。
この黒点、文字通り黒く見える。
と言っても、周囲を比べると、暗く見えるということなのだが。
で、黒点は、暗く見えるだけあって、周囲より温度が低い。
どれくらい低いかというと、約4000度。
熱いじゃない!
うん、熱い。
でも、周りは6000度あるから、それから比べると3分の2の温度だから、やはり低いと言えますがな。
なぜ、黒点の場所の温度が低いかというと、太陽内部の対流の問題であると言われている。
要するに、対流にムラができているということだろう。
ところで、おかしなことに、この太陽の表面から、数万Kmのところにある、コロナの温度が、高い。異常に高い。
どれくらい高いかというと、100万度を超える。
太陽の表面の温度が、6000度。
その上にあるコロナの温度が、100万度。
熱源よりも、温度が高いじゃないか。
ありえん!
でも、現実に起きている。
さて、これは、一体どうなっているんだ・・・
磁場が関係しているのではないか。
きっとそうに違いない。
ということで、今回の写真となった。
なぜなら、黒点も太陽の磁場の働きによって、太陽内部の対流が局所的に変化しているのが、原因だと考えられているからだ。
この黒点のことをもっと調べれば、コロナが異常に高温な原因がわかるのではないか、というわけです。
ちなみに、太陽がほとんど、水素とヘリウムでできている(水素95.1%・ヘリウム4.8%・残りの元素0.1%)ということが、わかったのは、1925年。
100年くらい前だ。
セシリア・ペイン=ガポーシュキンという女性学者によって、発見された。
発見されたと言っても、もちろん、太陽まで行って、確認したわけではない。太陽からの光を分析して、そう結論づけたのだ。
どういうこと?
実は、サハの電離公式というのがあって、それは
気体の電離度を気体の温度・密度・イオン化エネルギーの関数で表したもの。
これに太陽からの光を分析して、当てはめて・・・そういう結論になったのだ。
・・・・
まあ、とにかくそういうことなのです。
セシリアさんは、この業績もあって、ハーバードで初の女性教授になられたのだ。
そういう意味では、このプロジェクトも、セシリアさんの業績=手法の延長上にあるとも言えるのであろうと思う。
セシリア・ペイン=ガポーシュキンえらい。
サポートしていただけるなんて、金額の多寡に関係なく、記事発信者冥利に尽きます。