Ice Halos over Bavaria
ドイツ、バイエルン州フュセン雪原の中にポツンとセント・コールマン教会が建っている。
澄んだ空気の中、その教会を幾重にも光輪が囲んでいる。なんとも神秘的で荘厳な風景だ。
この光輪は、ハロ、日本語では暈(かさ)と呼ばれるものだ。
かなり低温の状態の時に、空気中の水蒸気が氷結して霧状なり(霧氷)、太陽の光がその氷で屈折して見える現象だ。
このハロは、自然状態でいくつかの種類のものができるが、ここまで色々な種類のハロが同時に見られることは少ない。
順番に説明しよう。
Horizontal arc(水平環アーク)
特に円板状の氷晶に太陽光または月光が屈折することによって形成され、通常、巻積雲や巻層雲に見られる氷晶によって発生するとされる。
22°halo(22°ハロ)
太陽または月の周りの見かけの半径が約 22° のハロで構成される大気、光学現象。月の周りに見える場合は、月輪、嵐輪、冬の暈とも呼ばれます。太陽光や月光が大気中に浮遊する何百万もの六角形の氷の結晶によって屈折することで形成される。
Right /Left Sun Dog
サンドッグまたは模擬太陽、気象学ではパーヘリオン(parhelion)とも呼ばれ、太陽の片側または両側の明るい点で構成される大気光学現象。2 匹のサンドッグは、太陽の左右22度、地平線から太陽と同じ高度に、一対の微妙な色の光の斑点として現れる。
Tangent arc(タンジェント・アーク)
大気光学現象ハロの一種で、観察される太陽または月の上下に、22度のハロに接するように現れる。
これらの弧を生成するには、棒状の六角形の氷の結晶の長軸が水平に揃っている必要がある。
Heliac arc(ヘリアック・アーク)
上部アークを太陽に接続する 風船形の曲線は、すべての中で 最もまれ。これは水平方向に吊り下げられた六角形の氷の結晶の側面からの反射によって作成されるヘリアック・アークです
大気中に浮遊する六角形の氷の結晶の側面から太陽光が反射することによって生じる、非常に珍しい大気光学現象。ここでのポイントは、氷の結晶が水平方向に配向している必要があること。
Parry arc(パリーアーク)
特定の条件下で円天頂アーク(circumzenithal arc)の近くに現れるアーク。
大気中に漂う、氷の結晶は、一般に六角形の柱形をしており、Parry arcが形成される際には、これらの結晶が地面に対して垂直な軸を持ちつつも、上面と下面が特定の角度で傾いている必要がある。
通常、太陽の周りの他のハロよりも上部に位置し、円天頂アークの近く、あるいはそれに接するように現れる。また、このアークは比較的鮮明で、しばしば色彩豊かに見える。
circumzenithal arc(円天頂アーク)
天頂の周りに現れる明るく色鮮やかなアーク。
円天頂アークは太陽が低い角度(通常は32度以下)にある時に最もよく観察される。
晴れた空が観測には理想的です。氷の結晶が存在する高い雲(例えば、巻雲)があると、より良い条件となる。
赤色がアークの外側に、青色が内側に現れます。これは虹とは逆の色の順序です。
半円形または円形に近いアークを形成し、天頂(頭上の点)の周囲に現れ、時には、完全な円に近い形で見ることができることもある。
通常、非常に明瞭で色鮮やかなアークを形成する。
Subsun arc(サブサンアーク)またはAntisolar arc(反太陽アーク)
大気中の光学現象の一つで、太陽の反対側の空に形成される光のアーク(弧)で、この現象は、特に航空機からの観察でよく知られており、地上からは観測することが困難だと言われている。
反太陽アークは、太陽の反対側、つまり太陽がある点の反対側の地平線上に現れます。
地平線に沿って伸びる、薄く長いアークの形をしている。
通常、反太陽アークは白く、色があまり見られない。
とまあ、こんな感じだけど、これだけの種類のハロがいっぺんに見られるというのは、かなり珍しいことのようだ。
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