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Lucy トロヤへ


闇の中の光というのは、何とも美しい。
ましてや、その光跡が幾何学的に整っているともう完全に魅了される。
なぜなんだろうか、と若い頃からの疑問のうちの一つ。

人間以外の動物も、同じように美しいと感じているのだろうか。
犀やライオン、あるいはバファローは、こんなのを見てどう思うのだろうか。人間に近いと言われる、猿なんかに、見せたらどういう反応を示すのだろうか興味がある。

もし人間だけが、闇の中の光に感動したり、星空に魅入られるのだとしたら、我々は、星の世界から地球に降り立った宇宙人の末裔であるという、S Fの世界、ファンタジーの世界を信じたくなってしまう。

さて、LUCY。
これは、2021年10月20日にケープカナベラルから、NASAが打ち上げた、木星軌道にある、トロヤ群という、小惑星を探査するためのロケットの名前。

トロヤ群というのは、木星と太陽の間にある、ラグランジェ点という、木星・太陽の相互の重力の均衡する場所で、木星から太陽方向を見て、それぞれ60度のところにある。つまり二つある。

ここは、両方の重力の影響が均衡する場所なので、ここにある物体は、ずっとそこに在り続ける。

そこで、ここには、太陽系ができた頃の小惑星などが、何十億年も当時のまま存在しているのではないかと、期待されているのだ。
何を期待するかと言えば、太陽系ができた頃の姿そのままだから、これを調べれば、太陽系の生成過程がわかるのではないかというわけだ。

そこで、このLUCY.
NASAには、珍しく、何かのプロジェクト名の頭文字を繋げたものではない。人の名前だ。
誰かというと、1974年エチオピアで発見された、318万年前のアウストラロピテクス・アファレンシス(アファール猿人)につけられた名前。
その由来は、ビートルズの曲にちなんでつけられたとか。

つまり、太陽系のできた頃の状態を保っている小惑星の探査に、人類のご先祖さまの名前を付けたというわけです。

行ってみたら、ただの岩なのか、
えっ!と驚くようなものを目にするのか。
とにかくLUCY頑張っておくれ。


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