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宇宙とぶ銀河


https://apod.nasa.gov/apod/ap180825.html

これは、ESO 137-001と名付けられた銀河
宇宙に浮かぶ巨大なクラゲのような形をしている。

あるいは、UFOが、青いく長い航跡を残して飛んでいるような姿にも見える。

実際、この銀河は動いている。
時速約700万kmで、巨大な銀河団、Abell3627の中を飛んでいるのだ。

時速700万kmと言っても、ピントこなかもしれないが、地球から月まで2分半、火星まで11時間弱、太陽までも21時間半ほどで到達できる速さだ。
ちなみに、アポロ宇宙船が月に到達するまで、102時間、4日と6時間かかっている。

ものすごく早い。

そして、これだけ早く銀河団の中を動くと、ラム圧(動圧 ram pressure)という圧力が、銀河の中のガスに働き、銀河からこれらのガスがはぎ取られるという現象が起きる。

これが、青く長く伸びているクラゲの足(クラゲには足はなく、足に見えるのは腕らしい)に見える部分だ。

その結果、この銀河は新しい星を形成することが困難になる。
したがって、将来この銀河は、年老いた黄色い星の集団が、青く伸びた若い星の集団を引き連れるというような姿になると思われる。

この銀河の右側には、星形成ができなくなった、古い星の集団である、黄色く光る銀河が見える。

ラム圧(ram pressure)
相対的に運動している流体から受ける進行方向と逆向きに受ける圧力。
例えば、自動車が走行しているときに、受ける風圧など。
速度の二乗に比例する。
ちなみに、ラムとは衝角のことで、大砲が軍船の主要兵器となる前の時代に、船の先頭喫水線下に取り付けられたツノのような装備で、船ごと体当たりして敵船に穴を開けるためもの。



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