AIは東大に合格できない。でも・・・
「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトがあった。東ロボくんプロジェクトと言われたものだ。
AIに、入試問題を解かせ、東大合格レベルにしようというものだ。(もっとも、本当の目的は、AIにできることと、できないことを検証することだったのだが。)
結論は、無理。もっと言えば、不可能。
しかし、MARCH、関関同立には、合格する(学部によるらしいが)。
これを聞いて、どう思うだろうか。
コンピュータは、そこまで賢くなったのか。
あるいは、東大に入るためには、コンピュータより頭が良くないとダメなのか、すげー。だろうか。
ちょっと違うようだ。
大体頭が良いというのは、どんなことか。
これが、まず問題だ。
実際、数学ができるというと、頭がいいと評価されると思うが、この東ロボくん、数学だけなら東大に合格できる。それも最難関と言われる、理科Ⅲが合格できるレベルに達したという。何せ、東大模試で偏差値76.2を叩き出し、受験生の上位1%以内の成績をとったのだから。
だから、大概の東大生より、東ロボは頭がいいことになる。
でも? でしょ。
他の学科ができなくて、東大合格しないのだから。
どうも、これは、入試問題にそれこそ、問題があるようだ。
どういうことかというと、普通受験勉強というと、英単語を覚えたり、歴史の年表を覚えたり、早く正確に計算できるようになったりとか、することだと考える。
しかし、これらのことは、コンピュータの得意分野なのだ。したがって、このようなことを入試で問われると、大学の試験には合格するのだ。
だから、歴史や数学は得点できる。
しかし、国語と英語が難しい。
なぜなら、この2教科は、常識が背後にあるからだ。
次の2文は、どちらが正しいか
1 花子は青色のスカートを穿いていた。
2 太郎は青色のスケートを穿いていた。
この2文は、両方とも文法的に正しい。
通常は、女性だと思われる花子がスカートを穿く、1が正解だと分かる。
しかし、学園祭で女装しているとかで、2が正解の時もある。
この時、我々は、花子が女性の名前であり、スカートは女性が穿くという常識から、判断している。
しかし、コンピュータに、この常識を覚えさせるのが、とてつもなく難しいのだ。
したがって、文章を読解するということが、不得意なのだ。
反対に、常識のバックボーンが要らず、限定的な領域で、ルーティン的な処理をするとなると、得意だ。
前述のMARCHレベルというと、全受験生の上位20%だという。これは、何を意味するのか。
AIは、我々の80%がこなしている仕事を代わりにすることができる可能性があるということだ。
そして、その方向に急速に進んでいるという。
どれくらい、急速かというと、ここ20年以内、あるいはそれよりも短期間に実現するという。
いや、いや、仮にAIに仕事を奪われても、代わりに必要な仕事出てくる。
産業革命とかあっても、工場労働者が生まれ、オートメーション化された時、ホワイトカラーという職業が生まれたじゃない。それと同じで、心配いらない。と思うかもしれない。
しかし、オートメーション化された時、大量の失業者が出たという。なぜなら、工場労働者は、ホワイトカラーに必要な教育を受けていなくて、役に立たなかったからだ。
じゃあ、AIにできないことができるような、教育をすればいいではないか。
もっともだが、根本的な課題がある。
そもそも、AIに不得意なことは、我々の80%が不得意なのだ。
少なくとも、大学入試で測れるような能力に関しては。
じゃあ、お先真っ暗か。
対策は、あるという。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この問題に関しては、ちょっと腰を据えて、突き詰めておこうと考えている。
サポートしていただけるなんて、金額の多寡に関係なく、記事発信者冥利に尽きます。