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上等なコツ

物事には、コツがある。
コツがわかっているのと、そうでないのでは、効率に雲泥の差が出る。そもそも、コツがわかってないと、全く用をなさないこともある。

さらに、コツには上等なものと、そうでないものがある。
上等なコツとはどういうものか。
それは、下記の3つの条件を備えたものだ。

1、シンプルであること。
2、効果が大きいこと。
3、弊害が発生しないこと。

1、シンプルであること。

世の中には、複雑なものをありがたがる人がいる。新しい分野の教科書なんてのも分厚いもの、電話帳や百科事典のようなものの方がいいと思っている。

よく観察してみればいい。
そんな人は、まず、マスターできない。
雑多な知識は覚えるかもしれないが、体系的に把握し、応用できるとかにはならない。

これは、ノウハウなどを教えるものも同じだ。
何十ページ、何百ページにわたる様な長文のものの方がいいものだと思っている。

違うと思う。
要点・本質をいかに的確に、簡明に書いてあるかが勝負だ。
そういう意味では、短ければ短いほどいいのだ。

同じ様に、長い試行錯誤の末にようやく身につくものがある。しかし、上等なコツは、その長い試行錯誤の時間を一挙に省略する。

だから昔の人は、一技幾らで教えを請うたのだと思う。

2、効果が大きいこと。

当然のことだ。
効果のないこと、あるいは効果の薄いことをする方法を覚えても、意味がない。

最小の労力で最大の効果が得られるものでなければ、そもそもコツに頼らず、ひたすら頑張ればいいのだ。
量が質を凌駕するということは、普通にあることだ。


3、弊害が生じないこと。

当たり前のことだと思うかもしれない。
しかし、往々にしてこの点は無視、ないし軽視されがちなのだ。

特に体のことに関しては、この傾向が強い。
例えば、即席に筋力をつけるために、ステロイド等の薬物を使用する、あるいは、痩せるために怪しげな薬物を服用するとか。

短期的に効果が出るかもしれないが、後から体がガタガタになり、最悪、死に至ることもある。

同じ様なことが、人間関係、社会関係にもある。
端的に、人を騙せば、短期的な利益や関係を作れることがある。

しかし、その後永続的な関係を維持するのは、まず無理だろう。それでなくとも、悪い噂はすぐ伝わる。場合によっては、犯罪となり、刑務所送りだ。
その後の人生は、かなり生きづらくなる。

簡単で、効果的でも、弊害が出る様では、上等なコツとは言えないのだ。


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