シリウスは一つの星ではなかった
空を見上げると、たくさんの星が見えるが、どの星がなんという星か、慣れないとなかなか見分けがつかない。
しかし、このシリウスは、その青白さと共に、全天にある21個の一等星の中で一番明るいので、容易に見つけられる。
要するに、青白くて一番明る星があったら、それがシリウスだ。
と言っても、一番星み〜つけた。とやるわけにはいかないのだが。
水星、金星や、木星、火星の方が明るく見えるからだ。
これらの惑星は、恒星よりも明るく光る。
ところで、このシリウス、実は、一個の星ではない。
シリウスAとシリウスBという二個の連星から出来ているのです。
つまり、お互いの周りを回っている星からできている。
二つの星なのに、一つの星のように見える(実際19世紀中頃までは、一つの星だと考えられていた。)のは、なぜか。
一つには、この二つの星の間の距離。
8.2AUから31.5AUの間で回っている。
太陽系の惑星でいうと、木星5.2AU、土星9.6AU、海王星30.1AUなので、近いところで、木星と土星の間、遠いところで、海王星あたり。
これくらいの距離にこの二つの星があることになる。
これが、8,6光年先にある。
計算してみると、1Km先の、5.7cmの距離だ。
肉眼では無理だろう。
もう一つの原因は、それぞれのスペック。
シリウスAは、直径が太陽の約1.7倍、質量は、約2倍、光度は25倍,
表面温度は、9,940K.
シリウスBは、直径は地球とほぼ同じ、質量は太陽とほぼ同じ(0.98倍)、表面温度は、25,200K、光度は太陽の10000分の1
太陽の25倍の明るさを誇るシリウスAのすぐ側に、その25万分の1の明るさの星があっても、そりゃ、気づかないだろう。
(下図は、シリウスBと地球を並べてみたもの)
ところで、このシリウスB、太陽と同じ程の質量でありながら、大きさは地球ほどしかない。いわゆる白色矮星だ。
これは、これで興味深いのだが。今日はこれまで。
下記ページにその名も、Zooming on Sirius Bという動画があります。
なるほど、シリウスBは、見えんわなと実感できます。
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