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三角銀河(M33)のHⅡ領域


https://apod.nasa.gov/apod/ap231013.html

三角銀河として知られるM33銀河のHαと呼ばれる水素原子からの光に対するフィルターをかけて可視光線で撮影したものと合成した写真。

可視光線で撮影すると、下の写真のようなものだ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%8B%E3%81%8F%E5%BA%A7%E9%8A%80%E6%B2%B3#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:M33.jpg

なかなか綺麗な銀河だ。
我々の地球から、300万光年ほど離れたところにあり、大きさは6万光年ほどで、天の川銀河より少し小さい。

さて、トップの写真に戻ると、銀河全体にわたって珊瑚色の部分が目立つ。
ここは、HⅡ領域といって、水素が電離しているところだ。

HⅡ
普通の水素原子は、陽子1個と電子1個でできている。
これを中性水素といい、HⅠと表す。
この水素原子が電離して、陽子だけになった水素原子をHⅡと表すことになっている。
したがって、HⅡ領域とは、水素原子が電離して存在している領域となる。

HⅡ(電離水素)がどのようにしてできるかというと、水素原子に強力な紫外線が当たることによってできる。

つまり、ここには、強力な紫外線を発する星があるということになる。強力な紫外線を発する星は、高温の星である。
高温の星は、大質量の星(太陽の8倍以上の質量)である。

そう、この三角銀河(M33)は、大質量の星がたくさんあるのだ。大質量の星の寿命は、数百万〜数千万年と短い。

ということは、ここでは、新しい星がたくさんできているということだ。

三角銀河は、新しい大質量星がたくさん誕生している、星の揺籠のような銀河なのだ。

この銀河が、300万光年という、我々の天の川銀河のすぐ隣に存在している。
ちなみに、40億年後には、天の川銀河と合体すると言われる、アンドロメダ銀河は、200万光年のところにある。

だからどうだと言われそうだが、大質量星の寿命は短く、最後は超新星爆発を起こす。なおかつ、大質量星が生まれる領域では、複数の大質量星が、同時期に生まれる言われる。

となる、超新星爆発を起こす時期も、同じような時期となる。それが、こんなに沢山あるとなると、・・・・
私は、宇宙の盛大な花火大会を思い浮かべてしまった。

見事だろうなあ、なんて。


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