韓国、犬肉食の歴史に幕 「犬食用禁止法」国会通過 市民の意識変化


韓国、犬肉食の歴史に幕 「犬食用禁止法」国会通過 市民の意識変化
https://mainichi.jp/articles/20240109/k00/00m/030/321000c

賛否ありますが、僕個人的には残念な気持ちになりました。
犬肉は韓国料理の象徴的な存在でした。

犬肉と聞いて思い出すのは2つです。

一つは韓国のハンセン病快復者定着村です。
僕が大学生の時にボランティア活動を行った拠点です。

定着村とは韓国のハンセン病快復者たちの社会復帰をするために、政策により進められた当事者同士の共同体です。
戦前、植民地韓国では、日本と同様、ハンセン病患者を収容する施設を建設し、そこで終身隔離させる政策がとられました。
しかし戦後は、その政策をやめ、快復者を積極的に社会復帰させる政策を展開し、その手段として定着村政策がとられました。ピーク時は全国に100か所以上の定着村が作られたとされ、僕がボランティア活動で行っていた2000年前後は80か所とか90か所と言われていました。また、定着村では、日本とは違い、子供がいて、世代交代がなされ、周辺地域からの非ハンセン病快復者らが移り住むことも見られたりと、一度は社会から疎外された存在が、再び受容されていく過程が見えるようでもありました。
定着村では経済的に自立が目指されました。四肢が変形するハンセン病の症状を抱える人が多いことから、そのハンデキャップがあってもできる仕事として、養豚や養鶏などの畜産で生計を立てる村が多く、韓国の卵の全生産量の3割ほどが、実はこの定着村で生産されたものという話を聞き大変驚いた記憶があります。

前置きが長くなりましたが、僕が通った定着村の中で、業として食用犬を飼う家庭、村があったりもしました。
他の国では分かりませんが、食用犬が飼われているところを見たことある方ならわかると思いますが、ペットで飼われている犬とは全く違います。食用犬はまるでオオカミ、僕からしたらまったく別の生き物です。近づいたら、ものすごい荒々しい声で吠えられ、今にも柵を壊して襲ってくるような獰猛な動物でした。犬肉と聞くと、夜中、村を散歩してたら、いきなり吠えられて、怖気づいた情景がすぐに浮かんできます。僕にとっての原体験・
原風景ですね。
こうも獰猛になってしまうのは、やっぱり愛情が注がれてないからだと思われます。記事にも少し触れられていますが、犬をペットとして飼う人が増え、犬を食べ物として見れなくなったというのが、今回の法制化につながったと思います。
一方で、同じ肉でも、牛や豚は好んで食べるわけで、もし、ペットとして飼うことになれば、日本だって、食用禁止法が成り立つでしょうね。
愛情をもって接するということが、人間同士も同様、殺傷に向かわない基本的手綱になるとか、とりとめないことを書いてしまいました。

定着村の次に思い出すのは、今里新地にある「開城食堂」という飲食店です。ここは「ポシンタン」という朝鮮の犬肉鍋が食べられる、日本でも珍しいところでした。今でもしているのかな?ネットで「開城食堂」と入れると、閉店と表示されており、もうやってないようです。今里新地に行くと建屋自体は変わらずあるはずなのですが。。
僕が最後に行ったのは20年くらい前の話で、当時、確か1500円くらいでポシンタンが食べられました。おいしく食べた記憶があります。

法律が成立して残念とは言いつつも、犬肉を最後に食べたのは10年近く前だったような。「今日は焼き肉を食べたい!」という気分になっても、それは、牛や豚、鶏なわけで、「犬肉食べたい」とはならず、一方でそこまで縁のある食肉ではなかったのが正直なところですが、ノスタルジーから、法制化に残念な気持ちが湧いてくるのでした。

最後に、記事にも触れられていますが、犬肉に関連して生計を立てる方々へのフォローが、しっかりなされることを祈りたいと思います。


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