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(読書感想文)麦本三歩の好きなもの

住野よるさんの小説、麦本三歩の好きなものを読んだ感想を書きたいと思う。

この小説、とにかく自分の好みだった。

特に大きな事件が起こるわけでも、感動するわけでもない。
主人公、麦本三歩の日常が描かれるだけの物語。

けど、そういった何気ない日常で起こる一つ一つのことに、ちょっと、いやだいぶ天然な女の子が真正面から向き合って、生きている。

そして、小さなことにも喜びを感じながら、幸せを感じながら過ごしている。

嫌なことや、自分が嫌いになる時もあるけれど、そういったことをスルーせず、でも楽しむときは思いっきり楽しむ。

これって、普通なようで、実はすごく難しいんじゃないか?と思った。
こういう生き方、考え方ができたら、幸福感の高い生き方ができそう、その大切さを三歩から学んだ気がする。

コロナ禍で大きなイベントはできないし、思いっきり楽しいことをするのも叶わない。
そもそも、SNSにはすごい人達がたくさん出てきて、自分の日常と比較してしまう場面も多い気がする。

けどそれでイライラしたり、時にそのイライラを他人にぶつけるんじゃなくて、毎日生きていく中で楽しみを見つけられる、そんな人になりたいなと思った。

最後に、印象に残ったフレーズを紹介したい。

 大したことは起こらない。
 謎も事件もファンタジーもない。
 そういう毎日の中どう生きたってきっとそんなに変わりはしないんだろうと三歩は思っている。でも出来ればどうか自分も、嫌いなもののことじゃなく、好きなものの話をしていたいと三歩は願う。
 麦本三歩とは、そういう慎ましやかで贅沢な、どこにでもいる大人のことなのだ。

今日もお疲れさまでした。

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