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昔嫌いでも今が好きなら…。

「可愛い女の子ですね〜!」

「いいえ〜男の子なんですよ」

「昔は良く間違われたよ。そのくらい可愛かったんだよ、、『よー』は。」と話す母はいつもにこやかだった。


私の本名は「よしくに」なんだが、小さい頃から家では「よー」。
次男坊で生まれたものの、2人目は女の子が欲しかったらしい母は、私が女の子に間違われるのが嬉しい感じだったと記憶している。

多分そのせい?

子供の頃は自分の「よし」の部分が女の子っぽくて嫌いだった。

また漢字も難しく、学校の先生でもまともに読める人は皆無でますます嫌いになった。
というか、生まれてから独り立ちするまで、まともに下の名前を呼ばれた記憶がないかも、、、書きながら気付いた。。。

就職が決まって、関東生活2年ちょい、やっと希望した地元の職場に配属された。

いつからだろう、、、
「よしくに、あれやったか!」

「よしくに、これどうなった?」

下の名前で呼ばれて、普通に返事している。
どうやら、下の名前で呼ぶ風潮のある職場だった。
呼ばれれば呼ばれる程、嫌いだった名前に抵抗がなくなっている。

隣の職場に配属された。

「お前来たから、うちの職場に同じ名字が2人になったんだけど、なんて呼べばいい?」

「はい!『よしくに』でお願いします!」

自分でもビックリ。

嫌いだった名前を、自分からそう呼んで下さいと言ってる自分。。。
いつの間にか、どこにでもある名字より滅多に出会わない名前の方がお気に入りになってる!

好きになったキッカケ…?
考えても分からない。

あれから30年弱経って、今地元から遠く離れた所で働いているせいか、下の名前で呼ばれることはない。

名字でしか呼ばれないのは、ちと物足りないし寂しい、かも。
(結婚して変わった名字もあまりない名字なので、それはそれで嫌ではないけれどね)

あっ、嫌いだった父親が選んだ名前だったから余計嫌いだったのかも。

きっと、その他大勢に紛れるより、個を強調出来る下の名前の方が好きになったんだろうな〜。

恥ずかしがり屋の人見知りが、個を強調するのだから始末が悪いけどね。。。

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