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これからのSIerに求められるたった一つのこと

株式会社リゾルバ代表の佐伯(@yonyonsaeki)です。
Salesforce界隈を中心に、各種プロダクトやIT企業などクラウドエコシステムのリソースを繋げて問題解決の実行を支援をしています。


釣り気味のタイトルに挑戦してみました。(ごめんなさい)


最近は、DXレポートの文脈などで
今後のSIのあり方、ビジョンなどと共に語られることの多いテーマですが

現場に身を投じる立場としてもう少し、
現状からの一歩や、主観的/現場的な表現で書いてみたいと思います。
いつも通り、エモ多めです。


新しいビジョンや紐づく戦略も戦術も整いきらない中だとしても、
変化しよう、成長しよう、としているSIerの価値について書きました。
一緒に頑張りましょう。

IT活用の現場の皆様、意欲と良心あるSIerの応援をどうぞ宜しくお願いします。そして、暖かくご指導ください。


■チャレンジし続けるSIer

昨今、これまでの構造的な課題や顧客との関係性への新しい解として
LayerXさんやROUTE06さんなど
従来とは異なる新しいコンセプトや収益モデルを志向するDX支援企業(DXer)が生まれていくのは、業界としてとても希望のあることだと思っています。

そういった方々が、将来のベンチマーク/リファレンスとなって
次の時代に向かう全体を引き上げ、正しい淘汰や成長が起こっていくでしょう。


一方、現状に目を向けると
特に私の見ることの多い中小企業マーケットでは、
本当に沢山の会社、技術者が日々ファイトしており、弊社も含め、
従来の枠組みの中で、日々事業・案件に取り組んでいます。


全国に存在する多数の、今あるSI事業者が変わろうとするのか、それを支援できるのか、は新しいビジョンやコンセプトの会社/受け皿を新たに作ること同じくらい泥臭いが重要なテーマだと思っています。

何より、多くのまだ名も無いエンジニアのキャリアを、現在から未来に向けて繋ぎ、意味あるものにしなければいけません。

■これからのSIerに求められるたった一つこと

結局のところ
"変化にいどみ続けられる会社・チーム"
が一番大事なのだろうと考えています。

変化やチャレンジというストレスへの断続的で組織的な取り組み。


というのも、
支援対象の顧客のビジネスが変化し続けていくこれからにおいて、

都度の付加価値が高い領域の見極め・スキル獲得すること

その提供キャパシティを拡大すること


をやり続けるには、新しいビジネス領域や技術、その組み合わせなど
「変化/成長する領域を決める・挑む・変化する」
というサイクルを組織内で回し続ける必要があるためです。


もう、大きくて長い市場で標準化、少品種大量生産する戦い方
アジリティ、サスティナビリティに欠け、選択することが出来ません


そして、リスクをとり、チャンスを見出して挑んだとしても
顧客は経験値の薄い相手をわざわざパートナに選んだり、チャンスを簡単にくれませんので、

最低でも打席に立とうと挑む姿勢は明らかに必須条件でスタートラインです。

そこから、更にビジネスとして成立させるという難関が待ち受けています。
変化に挑み、変化する覚悟がなければ話になりません。


■SIerの挑戦を阻む構造的ハードル

SIを含むBtoBビジネスは、一言で言えばアウトソースです。
その観点で、より顧客のミッションに一体となって動けるプレイヤーが求められます。


現状、IT活用において、外部のパートナベンダーは
手足の先を補えば良いかと言えば、まだまだ両手両足ぐらいの支援が求められるようなクライアントが多いのも現状と思います。


ですので、
「不足するキャパシティと高い専門性をバランスよく補う」
今、この段階ではそんなプレイヤーが必要とされています。


現在、ざっくりこの2タイプのプレイヤーが市場にいるとします。

a.専門性と深みを持ったエッジを担う精鋭企業(コンサル/スペシャリスト)
b.市場が大きく不足感の大きいスキルとキャパシティを可能な限り広く担う企業


a.は、クオリティを強みとし、平均点、付加価値が高い企業です。

但し、キャパシティを出すために
最近では、b.からのキャリアの受け皿となり、
実態は薄まっていき、b.に近づいていくかもしれません。

a.の企業がクオリティを維持して大きくなること、
生産性をあげコストを下げ、広い顧客層をカバーすることには難しさがあります。

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一方、b.は、キャパシティ自体の要請から、
人を雇って教育する機能が必要で、雇用/キャリア形成と社会的意義の観点で大きい役割を担っています。
(本来、その社会的貢献が自社に還元される事業構造にしないと、本気で人の教育や成長に取り組めない)

ですが、かけるコストと抱えるリスクの受け皿として
しばしば量的な安定収益が求められ、変化や成長・付加価値づくりより優先される傾向にあります
SESや大手アンダーの多重化は構造上とりやすい手段です。

多くの場合、優秀な人材層から、より大手や単価の高い市場に流動し、市場全体のキャパシティは変わらずとも、顧客からみたクオリティは上がらないということになります。

いずれにしても大きな繰り返しが待っています。

■新たな希望と解決すべき課題

■a.のような、専門性あるプレイヤー
領域に特化した、小さなプレイヤーが既存企業からのスピンアウトで新たに立ち上がるケースがあります。

現状、大きなキャッシュなく、チームは企業として独立できます。
当初は少数精鋭を志向し、良い仕事をし、高い利益率を出すかもしれません。

但し、枯渇します。
安定供給されないものは顧客の購買タイミングに乗りにくくなります。

供給側にとってタイミングよくマッチングさせるのは、営業面の難度や労力を大きく引き上げてしまいます。
クオリティと着実なスケールに注力したいプレイヤーにとっては課題となります。

無理に需要を食べようと労働集約的にスケールすると、組織は薄まり当初の社員は幸せではないかもしれません。

営業面やアセットを活用したプロダクトやロータッチアプローチの開発などのチャレンジによって専門性/生産性を維持した着実な成長を実現することが重要です。


■b.のような、キャパシティを担うプレイヤー
ニーズの総量を考えると、
直近はb.のような企業群が、多くのニーズを拾えなければなりません。

但し、お買い物志向のクライアントは、
経験とスキルが現時点で低い相手を、決して選んでくれません。


とはいえ、出来るプレイヤーがやる、
というのでは、一向にキャパシティは増えやしないのも事実で、
いかにチャレンジの価値を表現し投資して貰うかが重要になります。

ただでさえ、強いコミットとリスクテイクをしてまでチャレンジしようとするプレイヤーは希少です。ここを支援する仲間を探す必要があります。


・顧客に長い目でのパートナの重要性とその選び方、価値というモノサシ自体の訴求
・顧客リレーションを補完する手段(VCなど紹介者や協業先)、そのスキーム
・計画の大枠を握るようなKeyDealのクローズと遂行

"いかに素振りをし、バッターボックスに立つ機会を得て、早く自分のものにするか"
この活動を支援するスキームづくりが重要になってきます。


■これからのSIerを共につくろう

さいごに(少し宣伝)。

noteを書こうと思ったきっかけでもあるのですが

先日、弊社技術顧問先であるSharing Innovations社に嬉しいニュースがありました。
まさに上記のチャレンジ真っ只中の会社です。

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・歴代最速(? 定かでないですが)GoldPartner認定
https://bit.ly/3dxXcVv

・Partner Summit 2020にてAward受賞(技術者育成)
https://www.salesforce.com/jp/partners/partner-programs/partner-awards/

最初のパートナ認定から約2年、案件参画から実質1年強でここまでの存在感になられました。本当におめでとうございます。
(10年前からエコシステムを定点で見てきた身としては驚きのことです)


とはいえ、日々壮絶なファイトを若手エンジニア、マネージャ、営業、全員が相当にされていますし、しんどい時期だと思います。


それでも、東証一部上場の事業会社という、身軽とはいいきれないサイズの組織でも、変化と成長への執念はカタチにできると示してくれました。

自分たちが学び続けるだけでなく、
沢山のお客様、パートナに支えてもらうこと、への意識的な取り組み
もポイントだったかと思います。


組織の大きさや歴史に関係無く、変化できる企業は常に新鮮で、
今後、新鮮であることの良さ、は、枯れた安心感にも増して感じる場面が増えるはずです。

Salesforce用語で言えば、Classic時代のしがらみやプラクティスに囚われずにLightning時代の新しい価値観で仕組み作りに取り組めるプレイヤーと言えます。



このように、今後、既存のSI事業からの"移行"で、清濁合わせ飲みながら活路を見出していくようなプレイヤーに注目し、今後もその火種が消えないよう、変化へのチャレンジを許容する環境を共に整え、また弊社自身もプレイヤーとして身を起きつつ、仲間として支援していきたいと心から思っています。


この業界はゼロサムゲームでは無いと思っていますし、ニーズに対してのキャパシティは業界全体でまだ不足しています。
是非、思うところありましたら、協業観点でディスカッション出来ればと思いますのでSNSなど気軽にDMください。


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