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「しばしば私は机に向かい、文章を綴るべき紙を前にしたが、私の頭の中は空っぽもいいところだった。」-Often I faced my desk with a piece of paper, but my mind was completely empty.-

言うべきことも書くべきこともすべきことも何もない。そういった感じ。
意味さえも忘れてしまった。

Nothing. Nothing to write, to say and to do. I feel like that.
I've forgotten even the word “meaning”.

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【ヴィクトール】

日がな一日すごす
この部屋の名前はヴィクトール

酒もタバコもない代わりに
感慨すらも一つもない

理不尽な夢で目を覚ますと
時計の針は止まったまま

虚ろな気分さえ打ち負かされて
唯一のなぐさみは夜の街灯

すべてがあるこの部屋にいて
喜びも悲しみもこの手にない

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タイトルと”ヴィクトール”はアゴタ・クリストフ「ふたりの証拠」から

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