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夢が醒めても消えない夢を

いろんな感情があるけれど、その感情を感じるとき、その渦中にいるというよりは、感情が目の前にあって、それを見ているような感覚になる。感情には色があって、泣きそうな夜は黒。でも一色じゃなくて、黒に紺とか紫が混ざったような渦が目の前に見える。ゆっくりと不規則に動いているそれは、頭の前、おでこの裏辺りに誰にも見られないように隠れていて、だけど自分だけに分るように確かに存在してる。眠れないとき無理やり目を瞑ったら瞼の裏に現れるやつと少し似てる気がする。眠る前にいつもベッドに入ったら、なにも夢を見ませんようにってお願いをするのが日課。だって夢を見ると疲れてしまうから。怖い夢をみると、金縛りになって、黒い影に押し潰されてしまうから。眠れたら、次にみる景色は明日であってほしい。夢をみることくらい自由にさせてくれよと思うけど、どうしてこんなに不自由なんだろうか。選択肢が多いことが、逆に不自由だと感じてしまうのは何故なんだろうか。すごく自由なはずの今の生活でさえ窮屈に思ってしまうのは、無意識に見てしまっている現実への反発だと考えたら、妙に納得がいってしまった。どこを向いても視界は霞んでいて、それならいっそ、その時行きたい方向にだけ進んでいたい。それが一番難しいことは分かっているけど。ああ、夢が醒めたら何処へ行こう、またと見れない今日を探しに行こうよ。って野田洋次郎が歌ってる。

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