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寝台列車

寝台列車で旅に出る。
なぜだろうか、昼間に乗る列車とは違った高揚感につつまれる。

客車列車なので発車も独特だ。
先頭の機関車に引っ張られる感覚。ドフン、という衝撃とともに出発する。

奮発して個室寝台をとった。
部屋でくつろいでいると車掌さんがウェルカムドリンクを持ってきれくれた。車窓からの流れる景色を見ながらワインを飲む。

もう少し飲みたいな。

食堂車に足を運んだ。食堂車は予約制だが21時以降はパブタイムとなり予約なしで軽食とお酒を楽しめる。

ビールとソーセージを注文した。
ノスタルジーな空間、銀河鉄道999を彷彿させる世界観に酔っていた。

本当はディナータイムのフルコースにしたかったのだが、まだまだ若輩の自分には手が届かなかった。
もっと出世したらフルコースに舌鼓をうちたい、そんな目標もできた。

部屋に戻ってもずっと車窓を眺めていた。
この非日常の空間、眠るのが惜しかったから。


そんな特別な時間を与えてくれる寝台列車、現在は殆ど廃止され新幹線や航空機に役目を譲った。これも時代なのだろう。
残念ながらフルコースを楽しむことは叶わなかった。

寝台列車、今思い起こせば古き良き時代の旅だったのかもしれない。

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