世界に色を付ける、それだけの仕事が人生だ


世の中には色んな仕事をしている奴が居る。

そいつはら皆、自分の人生でいっぱいだ。新聞配達をしているやつ、ラーメン屋をやっているやつ、サラリーマンをやっているやつ、坊主をやってるやつ、良くわかんない事業をやっているやつ。本当に、色々なことをやっているやつがいる。

てことは、色々な人生を歩んでいるやつがいる。

認めたくないやつらも、認めたいやつらもいる。食えないやつも、食えてるやつもいる。生活保護の奴も、障害年金を受給しているやつも、母子手当を貰ってるやつも、本当に色々なやつらがいる。

人生ってのは、本当に沢山ある。

ちなみに、そいつを知るには夜の街に出るのが一番だ。

それで、団地に灯る夜の明かりを見てみる。見たことあるか?団地の窓ってのは、ただ明かりが灯ってるじゃない。その部屋のカーテンの数だけ、いろんな色が輝いてる。

で、その窓の数だけ、人の人生があって、幸せもあって、悲しみもあって、苦しみもあって、夢もあって、希望があることを考える。

まぁそれでも、人生は大したことはない。

資本主義の日本じゃ、結局のところ結果が全てだ。だから人生は生まれて死ぬ。これがすべての結論だ。

だから、その中で余分になるはずの何かが、人生ってやつを豊かにしてしまう。生きて死ぬはずの中にあった悲しみや、怒りや、憎しみや、喜びが、人生ってやつを彩っている。金持ちも、貧乏人も、賢者も、愚者も。まとめて見りゃ、暗い夜で必死に色のついた明かりを灯しているだけで、それはただ生きるために必死な姿しかない。

人生ってのは、そう大したことはない。

けど、お前はお前が知る以上に、大したことをしている。

なんせ、間違いなくお前は世界の一つを彩ってる。

そいつがどんな色だって、間違いなく色を付けてる。団地の中の小さな明りみたいな、生活保護のばあちゃんの部屋のベージュのカーテン越しに色付いた煤けた明りかもしれないけれど、間違いなくお前は色の一つだよ。ちなみに、僕の部屋のカーテンは真っ赤だけどな。

まぁそんでもって、団地や、町の明かりや、夜のネオンの一つを作ってる。僕の大嫌いなヘタレでも、下をうつむくしか能の無いやつでも、お前は間違いなく窓に色の明かりを灯してる。どんなに気色の悪い色でも、それだけは、ガキの頃から夜の団地の明かりを眺め続けた僕が保証してやる。

だからまぁ、頑張れよ。

お前が付けてる微かに色付いた明かりを楽しみにしてる奴は、意外と近くにいるもんだ。そいつらの為にも、色のついた明かりだけは灯し続けてくれよ。何処の誰かも分からねぇ、知らない他人のお前に掛けてやれる言葉は、それ以外に無いんだ。




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