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サラリーマンは社会保険料合わせた税金をどのくらい負担しているか(=サラリーマンの手取額、手取率はどのくらいか)

40歳未満独身サラリーマンが、税金(所得に対するもの)と社会保険料をどれだけ負担しているかというのを見ていこうと思います。

年収と所得と税金の関係

おさらいとして、年収と所得と税金の関係を見ます。
以下の図のような感じです。(図の大きさと金額の大きさは特に対応しておりません)

年収と社会保険料+所得税等+住民税の関係

サラリーマンの場合、給与所得者ということになりますので
年収-給与所得控除-所得控除=課税所得 という関係式となります。

厳密にいうと所得税と住民税とで所得控除が少々違ってくる(住民税の方が所得控除の額が少ない)ので、所得税の課税所得と住民税の課税所得では異なってくる点はご留意ください。

上記図の青色塗りしている部分(社会保険料、所得税等、住民税)を合わせて、以下ここでは「負担額」と呼びます。

年収に対する負担額のグラフ

年収と負担額の関係

青色のなだらかに右肩上がりとなっている線が、年収に対する負担額を表しているものです。そして、マーカー付きの折れ線グラフ(茶色:右目盛り)が負担割合、すなわち 負担額÷年収 を示しています。

グラフ上青色線の Y軸の値/X軸の値 が負担率です。

負担割合が年収額が低い当初、傾きが大きくなっていますが、このレベルの年収額だと基礎控除額480,000円の影響が大きいためです。

負担率の特徴的なハードルを見ると以下のようになります

20%超え:年収280万円近辺 
25%超え:年収740万円近辺
30%超え:年収1,350万円近辺
35%超え:年収2,000万円近辺

年収に対する手取額・手取率のグラフ

手取額=年収-負担額といえますから、下記のグラフのようになります。

年収と負担額・手取額 手取率(=1-負担率)の関係 グリーンが手取率

超過累進税率なので、負担率は年収とともに上がっていきます。そして、所得税の最高税率が45%、住民税の税率が10%ですので、極限的には55%に近づいていきます。

Facebookで流れてくる広告とちょっと違う…

わたし、自らのFacebookを開いていると下記のような画像の広告がしょっちゅう流れてきます。

この広告、その計算根拠がまったくよく分からないです。

そもそも、年収という概念が、特に説明がないのでサラリーマンを想定しての額面給与額なのか、自営業者の事業所得を想定しているのか、不明です。

また、「税率」としていますが、社会保険料を込めてのことだと思います。ただ、社会保険料も込みで「税率」と表現するのは違和感があります。

そして、手取り金額とする額が、私の作成したグラフ上の額と、800万円のときはほぼ一致しますが、1,000万円と1,200万円のときはけっこう違います。

とくに、1,200万円のときに「税率」33%、手取り金額804万円としていますが、私の試算のよると「税率」28.7%、手取り金額850万円になります。
ちなみにこれを年齢40歳以上にして社会保険料の負担額が増えても「税率」が33%になることはなく、29.3%くらいです。
ほんとうにいったいどういう計算でこうなるんだか皆目見当がつきません…

いわゆる節税策をアピールするために作成されている表であり、手取り金額が少なくなることを主張したいということだとは思いますが、その根拠がはなはだ不明です。下手をすれば広告上の誤認表示になるんじゃないかと思うのですが…

同業なので悪く言うのはやめた方が良いとは思いますが、誤解を招きかねない表を使って広告を行うのはどうかと思っています。

それとも、わたしの試算にどこか間違いがあるのかな‥

…と思っていたら、最新で流れている広告は、また数値が違ってました。

本日は以上です。ご覧いただきありがとうございました。


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