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住宅借入金特別控除(住宅ローン減税)について 概要編

確定申告の相談事項で多いものの一つに、表題の住宅借入金特別控除(通称住宅ローン減税)があります。ということで、既に3月に入って本来の確定申告の時期も後半になっている時期ですが、今回はこの住宅ローン減税を取り上げます。みんな大好きみんな書いてる住宅ローン減税。

住宅ローン減税のためには確定申告が必要

普段、会社員だと会社で年末調整をして課税関係が終わります。あちこちにふるさと納税をしていたり大きな手術でもして医療費控除を使うかといったことがない限り、確定申告をすることはないかと思います。

ですが、この住宅ローン減税を使う場合、初年度は確定申告をする必要があります。だれかが勝手にやってくれるものではありません。

今まで確定申告したことがないという人もここで初めて確定申告をする、というパターンが発生します。

なお、翌年以降は資料をキチンと出せば会社が年末調整でしてくれます。

住宅ローン減税の概要

毎年末の住宅ローン残高(①) 又は 住宅の取得対価(②) のうち
いずれか少ない方の金額の 
1%が (令和3(2021)年まで。令和4(2022)年以降は0.7%)
最大13年間にわたり所得税の額から控除されるというものです。
所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。

上記はあくまで概要です。実際は細かい要件があります。
もはやよく分からない用語になっていることについては下記記事をご参照ください。

年収500万円の人が住宅ローン減税を使ったら

ちょっとシミュレーションをしてみます。
令和3(2021)年までのハナシです。
・30代年収500万円共働き(配偶者(特別)控除なし)
・生命保険料控除なし
・住宅単独名義(共有ではない)
・住宅取得価額3,000万円、年末借入残高2,500万円

地方だとまあまあな感じの人といったところでしょうか。

そうすると、所得税は

Ⅰ.所得金額等(給与所得のみ) 
500万円-(給与所得控除:500万円×20%+44万円)=356万円
(または500万円÷4(千円未満切捨)×3.2-44万円=356万円)

Ⅱ.所得から差し引かれる金額(所得控除)
a.社会保険料控除:500万円×14%(※)=70万円
(※:およそ。30代なので介護保険の負担はまだ)
b.基礎控除:48万円
a.+b.=118万円

Ⅲ.課税される所得金額(Ⅰ.-Ⅱ.)
356-118=238万円

Ⅳ.それに対する所得税額
2,380,000×0.1-97,500=140,500円

Ⅴ.住宅借入金等特別控除額
年末住宅ローン残高(※)2,500万円×1%=250,000円
(※:①毎年末の住宅ローン残高2,500万円 < ②住宅の取得対価 3,000万円 ⇒①) 

Ⅵ-1.所得税額
Ⅲ.ーⅤ.=140,500-250,000=△109,500 ⇒所得税ゼロ

Ⅵ.-2.住民税額 
上記Ⅲ.2,380,000円に基礎控除額の差額50,000円を足して
2,380,000+50,000=2,430,000×10%=243,000円
243,000-109,500=133,500円
(これに均等割(都道府県・市町村によって若干異なる)と調整額がありますが、それはちょっと無視)

文章だけだとわかりにくいので表(画像)挿入

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住宅ローン減税の翌年には…

年収が変わらなくとも、住宅を建てた翌年6月支払給与以降で天引きされる住民税額が、ざっと半分になります。

月々の源泉所得税額は相変わらずですが、年末調整で全て戻ってきます。10万円以上戻ってくるので、ボーナスに加えてこれは嬉しいですネ。


本日は以上です。ご覧いただきありがとうございました。



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