98. 見えないものにどう向き合うか
ヒジュラ暦1441.10.28 (2020.6.20)
外出規制が始まり、家に閉じこもるようになって3か月が経った。1年の25%を屋内で過ごしたのかと思うと、けっこう長かったものだと思う。
過去形で書いているのは、一応、サウジでは今日(6/20)で外出禁止令の措置が終わる予定だからだ。このひと月で、サウジは段階的に外出禁止措置を緩めていて、6月に入り、その最終段階のフェーズになった。マッカ(メッカ)市を除いては全国的に外出禁止は午後8時から午前6時までとなっている。モスクでの礼拝も距離をしっかりとればOKになり、商業施設は距離を取るのが難しい、美容サロン,理髪店,スポーツクラブ,ヘルスセンター,レクリエーションセンター,映画館など以外は営業を再開しはじめた。
ニュースによれば明日からは国内の旅行も再開のようだ。
3月15日より止まっていた飛行機の国際線の運航も徐々に再開(現時点では運航停止中)。
と、こんな感じでコロナ前に戻っているような雰囲気なのだが、慎重派の私からすると、"早すぎないか?”という感じはしている。
緩和措置って感染者数が減少傾向になって実施するような気がするのだけど、サウジの場合はまだ、Dailyの感染者数も高止まりしていて、グラフを見ると、心配になる。
素人考えだと、6月初めの緩和が、ここ1週間くらいの感染者の増加につながってるようにも思えてしまう。
ここ数ヶ月、サウジの保健省のtwitterを見ている。毎日、夕方になるとその日の感染者数、回復者数、死者数などを表にして出してくれるからだ。
私はアラビア語は全然、わからないのだけど、幸い、英語も書いてあり、言わんとしていることはわかる。
この一日の感染者数のtweetにはだいたい1000件近くリプライがついている。保健省のtweetの中でも、これにつくリプライは多い。それだけ人の関心を集めているのだろう。
みんな、何を言ってるのだろうと興味があって、twitterの翻訳機能で訳してみると、精度がよくないので、意味はよくわからない(笑)ただ、頻繁に出てくる言葉があることに気がつく。
・ああ、神様
・神よ
・救ってください
アラビア語の表現に「神」という言葉を含んだ表現が多いのもあるのかもしれないけど、私には、サウジの人(tweetはどこの人がしているかは正確にはわからないけど)がコロナウイルスをどう見ているかが象徴的に表れているようにも感じた。
例えば、東京の感染者数の発表のtweetでつくリプライを見てみると
https://twitter.com/YahooNewsTopics/status/1273870693218742272
全く雰囲気が違う。ぱっと見ても「神」、「救って」のような言葉はない。そうだろうなと思う。
ウイルスというのは目に見えないし、私たちが直接的にコントロールできる感じもしない。だから、恐ろしい感じもする。そういう得体の知れないもの(困難)に向かい合った時、人がどう反応するのかというのは、とても興味深い。
私なんかは、何とか可視化したいという思いが強いんだろうなと思う(笑)だから、保健省のデータを追ってしまう。一方で、今こそ、しっかり祈りをという考えもあるだろう。
5月31日に、それまで禁止されていたモスクでの集団礼拝が、再びできるようになった。その初日のお祈りに集まった人の写真を見ると、人々がどのように困難と向かい合うのかがわかる。
明日からはいよいよマッカのモスクでのお祈りも再開される。
明日、サウジはコロナ前の状態に「戻る」のだけど、私の気持ち的には、ここからが「レベル2」(難しくなった)の気でいる。みんなが動き始める中で、どうやって感染のリスクを減らすのかは、これまで以上に難しそうだ。
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