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イズムとお好み

去年の年末に知り合いからの依頼を受けこんな仕事をやりました。
たまたまの偶然が重なり、マスクはよね工房製、コスチュームは師匠製、シューズは自分がレクチャーで師匠と一緒に作ったモノと言う奇跡に近い組み合わせになったので自分にとって感慨深い仕事になりました。

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現役最後の後楽園ホール大会で久し振りかつ最後のブラックライガーだったと言うこともあり、ファンの方々は喜ばれたようです。これは弟子入り仕立ての頃の自分に言ってあげたい案件のひとつ。

で、このブラックライガーを見て『このライガーは昔のSIMA製ライガ-の顔してる』って思ってくれた方がいたそうです。ライガーのマスクやコスチュームはデビューからずっと師匠が作り続けてきましたが、10年くらい前に製作者が変わり引退までSIMA製とは違った様々な新しいモデルが生まれました。

そんな歴史の中で『このライガーは昔のSIMAの顔してる』って思ってくれたと言うのはSIMAの弟子として最高の誉め言葉を頂いた気がしました。
師匠が担っていた仕事をたまたま自分が引き継ぐことになった案件はいくつかありますが、どんなアイテムであっても皆さんそれぞれの時代や思い入れがあり、それぞれのお好みがあります。

逆に作り手側も思い入れのあるテイストや頭の中に刻まれているイメージがあります。
特に師匠が手掛けていたものに関しては弟子の中でもそれぞれの好みやポイントがあるはずです。
各々そのイメージを無意識ながらも意識してクリエイトしている部分があるのかもしれません。

それは間違いなくイズムです。

そんなイズムの踏襲の先にオリジナルは生まれます。
どんな凄いアーティストでも必ずイズムとお好みの影響から作品は生まれてきます。
そうやって人の思いや技と言うのは受け継がれていきながら進化していくわけですね。
壮大なロマンを感じます。



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