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「あがのあねさま」コメンタリー(1話)

あがのあねさま本編はこちら!!

本編とともにお楽しみください。

1話

 これ高校生が高校に立てこもる話ですが、これ、早くもいろんな先行作品のイメージをお借りしております。まあ完全な無から何かは作れないものです。すべて文化文明は先輩たちの大きな肩を借りてそれをリスペクトしながらその先を目指していくモノなのです。

 まず自衛隊新発田防衛センター庁舎。イメージとしては『踊る大捜査線』の湾岸署みたいなイメージです。位置は新発田カルチャーセンターの駐車場のあるとこを想定しました。取材旅行で新発田に行ったときにここでレンタカーで昼寝して助かった、という余計な話を。でも湾岸署と違ってヘリポートがあったり阿賀野さんたちの整備用に医療機器みたいなものが置かれているので、イメージはあるんですがイメージパース書く時間が無い…。

 隊司令として宮澤司令が登場。『アズールレーン』だと指揮官って呼ぶし『艦これ』でも司令官って呼んじゃうけど、私は断固として司令、と呼ぶ。というのもうちの父がずっと司令官を司令って呼んでたんですよ。官はつけない。そりゃ部下も自衛官だから自明だからでしょうね。それに『司令』って短く言ったほうがかっこいいと思うのです。この人のイメージは普通にパトレイバーの後藤隊長になりがちな気がしますが、個人的には別のイメージで描いてました。でも後藤隊長、ファンが多いんですよね。私もその一人であります。いきなり防衛省本庁とリモート会議した話になるのはコロナ禍後の世界ですね。

「ぱんぱかぱーん」は艦これネタです。艦これの「愛宕」さんの台詞らしい。でも私、艦これまだ遊んでません。DMMには3Dプリントやる都合でアカウント持ってますけど…。うぐぐ。

 いきなり隊司令、登場した阿賀野さんに軽く詰められてしまいます。阿賀野さんちょっとクールなところもありますね。頼られがちな長女、というキャラを目指したんですが上手くいったかどうか私はまだ不安です。

 そして登場する矢矧さん。それを描写してる「私」が能代。のっさんと呼ばれるのをすごく嫌がります。これ、もともとHON.jpが前に日本独立作家連盟だったときに出してた『月刊群雛』のタイトル・Gunsuマークを描いた宮比のんさんがかつてGoogle+というSNSでやってたやりとりが元ネタです。『のっさん』と呼ばれるといつも『ぼっさんみたいに言うなし!』と答えてた宮比さん。でも2017年に亡くなってしまいました…。ずいぶん遠くなった気もしますが、まだそれほど経っていない。時間の長さなんてこんな感じにその時々に可変になってしまうのかもしれません。ふと思ってこういうやりとりをヒントにしました。

 特殊地域防衛移動要塞A-1号。これはゴジラ(1984)の自衛隊の切り札、スーパーXから。あれの正式名称は『陸上自衛隊幕僚監部付実験航空隊首都防衛移動要塞T-1号』なのです。ひいい、長いっ。それでいて空飛ぶ巨大炊飯器みたいな形で新宿に侵攻してきたゴジラにカドミウム弾攻撃をして一時ノックアウトすることに成功したので、初めて映画で見た私はその雄姿に弟とともに感涙しました。マジで。だって当時は米ソ冷戦まっただ中、自衛隊がその間で何かに勝てるなんてととても思えない時代でしたから。だから当時の私は米ソ核戦争が始まってもきっと自衛隊にはこのスーパーXが隠されていて、それが日本を救ってくれると割合本当に信じてました。いやそんなのなかったんですけどね、子供心に当時の核戦争の危機ってのはすごかったんです。あとスーパーXといえばそのカドミウム弾がなくなったあとで「通常兵器で戦う!」と宣言して戦うのが涙ものなんです、ってゴジラの話はこれぐらいにして。

 早くも末の妹矢矧のドジにイライラする能代さん。でもその矢矧を甘やかしてるのを自覚してる阿賀野さん。今思えばここでその阿賀野さんの表情をもっと描写しても良かったと思うんですが、そうすると話がここで長くなるのも避けたいところ。

 電話が県警本部からかかってきて、阿賀野さんと能代さんが出動します。発進シーケンスが見所になりそうですが残念ながらEV軽自動車での出発。こういうノリの話だと早めに出しておきたかったのです。軽自動車の規格の拡大の話も。私の子供の頃から軽自動車はずいぶん大きくなりました。ARカーナビを使って軽自動車の自動運転に任せる阿賀野さん。ここらへん、マンガにしたい…。昔『ヨコハマ買い出し紀行』ってマンガがあったんですよね。あれも好きでした、どっかそのイメージもつながってるかも。あれはスクーターで移動してましたが。

 信号機、縦型で赤信号の残り秒数を表示するスタイル。実在しないもので未来描写。でもこんなのあったらドライバーが必要以上に信号機に注目しちゃって危ないかも……。

雪国らしい風景、縦型信号。

 特殊事件支援派遣制度。こんなモノありませんし検討もされていませんが、この世界では警察の人不足がひどくてSATやSITといった警察特殊部隊の出動する事案に自衛隊の一部の派遣を自治体が要請できることになってます。今でも自衛隊と警察は縦割りもあるし、またいろんな理由で自衛隊の下に警察が入る形になる防衛出動命令ってのはすごく警察嫌がるんですが、逆に警察の下に自衛隊が入る形なら警察はいいだろうと考えました。まーとにかく人が少子高齢化で少ない時代ということですので、なりふり構わないんです。

 総理の疑惑。これはあとでわかりますのでここでは割愛。

 高校の餅つき大会。これ、元のヒントは『踊る大捜査線』の『歳末警戒スペシャル』なんですね。湾岸署で立てこもり事件が起きちゃってSATが突入する話。食べ物飲み物どっさりなのは同じです。でも『焼きそば食べたい……』って言っちゃう能代さん。なんかこの三姉妹、核融合駆動のはずなのに食べたり飲んだりがやたら好きですよね……うーむ。

 こたつに入ったまま原稿を書き、ウェブニュースに載せる。これも今ではほぼそうなってますが、もっとエグくそれを使っても良かったですよね……反省点です。

 ここでひどいことをする県警本部長の顔が浮かぶ阿賀野さんと能代さん。これ筒井康隆『文学部唯野教授』にもこういう描写があります。コミカルで楽しい。でもここでSDGsのゴールまで1年しかないことを言う阿賀野さんに能代さん『知らない。私に聞かないで』と口をとがらせる能代さん。いかにもかなと思います。

 そこで警察のおかしな動きに気づき、能代さんはネットワークに論理没入アクセスを開始します。ここで高校生を侮れない、としてますが、実際そうなんですよね……。昔私の友人でN**ーDA*Aのエンジニアをしてたのがいて。そいつが高校の時に学校のネットワークを*ちゃって、試験の問題を*して学校の先生に***とかしてたらしく、今でもそのときの学校のネットワークには(検閲削除)ひいいい! ってな感じなので未来もそうでしょうね……いやもっと進んでるでしょう。今ですら学校で情報の授業が普通にある時代ですから。

 ここで立てこもり犯の高校生の顔がフォントが集まってマンガ的に作り出される。これ、『カウボーイビバップ』でこういうシーンがあるんです。すごく面白いシーンでした。なるほどなーと。

 そして人質交換。能代さんがそこで例の県警本部長に突っかかろうとして、阿賀野さんに『やめなさい』と裾引っ張られてたしなめられます。この『裾』、私はジャケットの下端を思ったんですが、地域によって呼び名が違うかもしれません……。私の生活圏では下端なんですけどね。

 受付ロボット、これ、ふつーにソフトバンクのペッパー君みたいなのを考えてましたがもっと進んだモノにしたいところ。でもどっかペッパー君っぽいのが野暮ったくていいかも。映像化するとしたら演出考えてほしいと丸投げした方がいいところですね。

 そして狙撃をホロシールドで防ぐ阿賀野さんたち。これ、あと7年で実用化できるかどうかわかりません……多分無理ですね。でも阿賀野さんたちの汎用AIもそれいうとナニなんですが、それは物語後半で。

 1話はこんな感じです。2話に続く!

あがのあねさま本編はこちら!!


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