見出し画像

#7「あがのあねさま」絶好調特番! 「ここが海老名なら、きみは新発田 」

ツバメ た、大変です!!

総 裁 うむう、ワタクシも驚かざるをえないのだ。まさか阿賀北ONLINE書評バトルであのNGTのお二方がわが『あがのあねさま』の書評で優勝するとは。

ツバメ すごいですよね!!

総 裁 うむ。でも今思えば、あの勝利は約束されたものであるのだ。彼女たちはそもそも大勢の人前に出てパフォーマンスするプロであるからの。そのプロに交じって他のバトラーがむしろよく肉薄健闘したと言うべきであろう。彼女たちは映像を撮ることについては仕事としてはスタッフがいるとはいえ、近いところでその仕事ぶりを見ているのは圧倒的なアドバンテージ。映像製作ではやはり分が良いと言えよう。それでもみな健闘してとても良いイベントになったと思ふ。

ツバメ そうですよね!

総 裁 またTiktokをつかった書評には大きな可能性があると思う。本来のテキスト書評とはまた別の可能性の世界であるのだ。この2つは競合するものではなく刺激し合いながらともに別の可能性を切り開いていくべきであるのだ。Tiktok、運営が音楽の包括契約をして楽曲がラクに使えるなどこのイベントがなければワタクシも知らなかった。これは非常に蒙を啓されるじつによい体験であった。また同じ本を別の人間が書評するのを比較するのも実に楽しいことが判明。これからこういうイベントは伸びていきそうだ。だがしかし!

ツバメ なんです?

総 裁 その彼女たちに対して、感謝を述べた我が著者の情けなさはいったいなんであるのだ!!

ツバメ ええええっ!

総 裁 遠隔バイトのさなかとはいえあれでははなはだ失礼であるのだ。話すことは同じことを繰り返すほかなく、その上でヒゲも剃っておらなかった! これは甚だ失礼であろう!

ツバメ だって著者さん、リモートバイトの最中で。

総 裁 リモートバイトの仕事でもヒゲ剃って襟を正してやるべきであるのだ。フ抜けておる! ええいっ、鉄研制裁なり!

ツバメ 著者さんいじめちゃだめですよ。でもNGTの小熊倫実(こぐまつぐみ)さん、對馬優菜子(つしまゆなこ)さん、おめでとうございます!

総 裁 我が著者はこれまでim@sの三浦あずささん、ラブライブサンシャインの津島善子さんと推してきた歴史であるが、これを機に小熊さん對馬さんも推していくことにしたようだ。

ツバメ でも著者さんの一番の推しは自作の総裁じゃ……。

総 裁 ふぬ! ワタクシ、そんなこと頼んだ覚えは一切ないぞ!

ツバメ ボイスドラマで総裁に声当ててくれた声優の純-sunao-さんも推していたのでは。

総 裁 推しが安定しておらぬのだ。実に情けない。

ツバメ いいじゃないですか。それに総裁推してるから毎回イラスト描いてるじゃないですか。このまえのアイドル衣装も。

総 裁 それも頼んだ覚えはないぞよ。

ツバメ でも総裁もあの格好でまんざらでもない顔してましたよね。総裁、実はツンデレ?

総 裁 そんなワケないのだ。

ツバメ あー。顔が赤くなった。

総 裁 強く否定なのである!

ツバメ といいつつ、あの日は著者さんバイトで落ち込みそうでしたね。

総 裁 ウクライナ情勢がひどかったからの。自由と民主主義が一方的な力による現状変更という侵略を受けたのは衝撃であった。我が著者もサイボーグ009を使った広告に倣い、「世界はまだ阿賀野さんを必要としているのか」などとつぶやいておった。確かに阿賀野さんや能代さん、矢矧さんが実在してくれればと思わずにはいられない惨状であるのだ。

ツバメ コロナがぜんぜん片付いてないのに戦争始まっちゃったんですものね。

総 裁 小熊さん對馬さんが作品についてのコメントで「コロナが明けてる世界」が「あがのあねさま」世界であることに気づいておったのは実に聡明であるのだ。我が著者、コロナの中でSDGsを達成しようとして失敗した世界を書こうかと思ったのだが、あまりにも暗くなりすぎてキツイと思ってそこは妥協したのだ。

ツバメ 現実にはコロナも明けない、ウクライナも悲惨、さらにSDGsも全然達成できない、真っ暗な未来になりそうですよね……。

総 裁 我が著者がそこで妥協したのは実にけしからん。筆力不足であるのだ。

ツバメ それは否めませんねえ。

総 裁 とはいえウクライナを仔細に見ると、おそらくウクライナは滅びないとワタクシは思う。滅びないでほしいのだが、その願望を省いてもウクライナの勝算は大きいと思うぞ。

ツバメ ええっ、あんなロシアの大軍勢に包囲されてるのに?

総 裁 城攻めで勝利するには包囲側は3倍の兵力が必要とは強いセオリーである。たしかにロシアはその3倍を用意した。しかしあんな大軍勢を動員して長い戦いができるほど、そもそもロシアは金持ちであったのか?

ツバメ あ……。

総 裁 今のロシアは韓国と同程度の経済規模しかないのだ。それなのにあんな大軍勢を動員。兵站がうまく充足できるであろうか。大軍は飯も燃料も戦費も大量に使うぞ。事実ロシア軍、一部の部隊が管理に失敗し飢えているらしい。そんな状況でちゃんと城攻めの3倍の兵力を持っていると言えるのか。

ツバメ そんな…。

総 裁 しかも西側各国、ウクライナはNATO加盟国ではないから兵力は送れないと言いつつ、見ておるとその国境周辺に多数の航空機を派遣しておる。なかには偵察無人機もおり、それが一般人も見ることのできるアプリ『フライトレーダー24』にわかってしまっておる。だがこれはおそらくわざと見せつけておるのだ。

ツバメ どういうことでしょう?

総 裁 おそらく見せないレベルではもっとエグい偵察機や情報収集機を多数派遣しておるのだ。それでロシア軍の誘導ミサイルや指揮通信の電波情報を拾い放題。そしてそれをこっそりウクライナに流して実際傍受妨害ができるかどうか試すのもやりたい放題。ロシア軍の手の内はどんどん丸裸になる。しかもそれは戦争が長引けば長引くほど厳しくなる。

ツバメ だからロシア軍の電撃戦がイマイチなのかな。

総 裁 さらにびっくりするのがキエフ市、夜間外出禁止令を出したのがつい最近なのだ。

ツバメ ええっ、前からあんなに空挺作戦されてるのに!?

総 裁 さふなり。その空挺作戦もロシア軍、毎回失敗してるのにとくに工夫もなくまた繰り返しておる。空挺兵は貴重な切り札なのに。

ツバメ ロシア軍……強くて怖いと思ってたのに、なんで……。

総 裁 ウクライナの話は本稿の主眼ではないのでここらへんにするが、我々は情報の洪水に流されそうになっておる。しかしよく見ればロシアに長期的な目で見て勝算が大きいとは思いにくい。結局ロシアは普通に大損こいて終わりになりそうだ。そもそも自由と多様性尊重と民主主義は欠点もあるがそれをカバーして余りある利点がある普遍的価値なのだ。逆に開発独裁などとよばれるものについても最近数字で検証された。開発独裁は一見良さそうに見えるがほとんど利点はない。特に独裁側のプロパガンダを省けばなにもいいことがないのだ。故独裁体制によいことなどない。国民一人一人が責任を負って自由に議論し思考しそれぞれが幸せのために尽力する体制にはけっきょくかなわないのだ。 

ツバメ 世の中悪いことはできないんですね。

総 裁 そこで『あがのあねさま』世界の阿賀野さんたちの価値観なのだ。なぜ阿賀野さんたちに強いAI、それも食事したり美味しいもの食べたいと思ったりする心にちかいものが実装されておるか。

ツバメ 確かにやたら人間臭くて不思議でした。ジェラート美味しいとか焼きそば食べたいとか。

総 裁 それは阿賀野さんたちに課せられた任務の遂行にあたって必要だからなのだ。

ツバメ そうなんですか?

総 裁 人を救い、人を守る任務を自律的に遂行するにはシビアな判断、価値判断が必要になる。その判断能力を獲得するのは容易ではない。しかしそれには細かい事例ごとの判断をひとつひとつ組み込むより、さまざまな価値観をディープラーニングで獲得させたほうが手早い、という設計思想があるのだ。

ツバメ そうなんですか?

総 裁 おそらくそこらへんの価値観、倫理がこれからのAI開発でも組織運営でも必要になるのだろう。Googleなど先端企業は最近倫理の専門家を多数雇用し重用しておるのもそれではなかろうか。個別ケースごとに対応をしていては良からぬ者の罠にハマる。やはり普遍的に強い規範、価値観を獲得したほうが強靭であろう。そういう流れを『あがのあねさま』は反映しておるのだ。

ツバメ そうなのか……スチャラカロボット3姉妹の話みたいな感じに見えてた。ひどいっ。

総 裁 どこを見ておるのだ……。ともあれ、結構こういう事を考えて書かれた近未来小説『あがのあねさま』、実は一部失敗しておることに気づいたのだが、それでも好評発売中なのだ。

ツバメ え、失敗? どこだろう?

総 裁 それは後に明らかにするぞよ。いましばらくお待ちを!!



というわけで本編好評発売中。よろしくです!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?