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「あがのあねさま」コメンタリー(2話)


本編はこちら。



 思考戦車(シンクタンク)は士郎正宗「攻殻機動隊」より。で、この思考戦車、うちで3Dプリントで作ったんですが、これがややこしい。

作中で「攻殻機動隊」のファンの参加者がモデル化した、と言う設定。だから本物の攻殻の思考戦車とは形がビミョーに違う。というのも私、モデリングするときに本物に引っ張られないように一切本物の資料を見ないで記憶だけでモデリングしたんです。でも細部とかどうしようかなーと思って、やっぱり資料見ちゃおうかなと思ったけど引っ張られるので諦めました。それで仕上がってから本物の資料見ると……うう、やっぱりあちこち違う。でもこれ、資料見てたらもっと寄っちゃってナニだったでしょうね。士郎正宗さんすみません……。今『アップルシードDATABOOK』を読み返すと、また『アップルシード』みたいなのやってほしいなあ、と思ってしまう。90年代に未来予測的に作られた『アップルシード』今見ても面白いもん。未来予測なんてフィクションでは出来ないけど、かといってやっちゃダメって訳はないんだと思います。『あがのあねさま』もそういうイミでもっと勇気出して踏み込んでも良かったのかな……。ぐぬぬ。

 ロボット開発、日本でも進んでたはずだけど中国がすごく伸びちゃって。やっぱりお金と人口あるとこは勢いが違うなあ。中国、倫理とか全く無視して開発しちゃうからなおさら。でもここにきて中国政府が大きな中国IT起業をものすごく規制してしまった。金の卵を産んでくれるモノなのにねえ。やっぱり多様性を許容できない国は一時的に勝っても、やっぱり無理が来ちゃうんだろうと思います。でもアメリカも日本もその多様性で勝ってるのにそれをあっさり手放そうとしてる感じで心配です。米アナポリスの校長が「米軍の強さは多様性にある!」って宣言してて、すごく良かったんだけどなあ……。

 ちなみに戦車競技大会、これは『乙女のたしなみ』戦車道で、はいアニメ『ガールズ&パンツァー』です。大洗とか見に行って、ほんと成功してていいなあと思います。大洗の人、ほんと大事にしてくれてるので見てて心がアツくなります。ちなみに『ラブライブ!サンシャイン』の聖地沼津もすごかった。平日早朝から関連の魚屋さん(イートイン可能)に開店前から行列できてるんだもの。その魚屋さんの対応もすごく親身でステキだった。アニメの聖地化、コンテンツツーリズムなんて注目されてるけど、成功と失敗の次元じゃないとこまでいかないと聖地は成立しないんだなと思いました。『あがのあねさま』で新発田が聖地に? ひゃああ。そんな大それたこと思えません。でも少し思ってたけど(思ってたんかいっ!)

 そしてセンターに帰ってきた阿賀野さんと能代さん、矢矧さんとジェンダーの話。社会的性差がジェンダーだけど、正直、私がいろいろ見てると単なるケンカの材料になってるだけみたいで悲しい……。これも多様性をもつことで社会を優しく強くしていくためのものなのにねえ。でも今のネットってサイゼリヤでご飯食べる絵だけでも大げんかになっちゃったりしてなんか沸点低すぎて何だかなと思います。それどころじゃ無い困ってる人いるのにね。そもそも結婚にしろパートナーにしろ、幸せにする・されるじゃなくて、お互いに幸せになろうってともにがんばるものだと思うんですけどね。でも幸せにされたい人だらけで、見てるとほんと貧しい世界観だなー、って思っちゃう。

 でも阿賀野さんはそれを受け流して資格の勉強。でも阿賀野さん、いったい何の資格取ろうとしてるんでしょうか……。わからぬ。

 そして通報されたケンカの処理に出発する阿賀野さんと矢矧さん。留守番の能代さんは警察無線聞いてる。この警察無線、参考にしたのはYouTubeに公開されてる地下鉄サリン事件の時の警察無線の音声だったりします。独特の言い回しや略語の参考にしました。思料します、なんて普通は使わないもんねえ。

 そして思わぬ窮地に陥った阿賀野さん矢矧さんの救援に出発しようとする能代さん、司令に止められます。たしかに能代さんいなくなったらセンター、無防備だもんね。それとネットワーク作戦で支援しないといけないよね、というのが司令の判断。

 ここで出てくるマイクロライフルってP90みたいなPDW、個人防衛火器を想定してます。映像化するとしたらこれも専門の人に丸投げした方がいいですね。銃の世界は奥が深すぎる……。

 ファルシオン。これ、ホントは料理用の包丁みたいな形なんですよね。でもそれだと絵が悲しくなるのでダガーみたいな形で、それをファルシオンと呼んでいることにしました。作図してくれたヤマシタさんすまぬ……。でもダガーっていうミサイルがすでに実在してるんで使いにくいのです。

https://ja.ww2facts.net/20375-tunguska-m-and-its-marine-counterpart-dagger.html

 ID偽造した思考戦車。これ、IDを偽造した組織としていろいろ想定してます。国レベルでひどいことする例もありますし、巨大IT企業なんかは国を隷下において良からぬことできるぐらい力ありますもんね。Googleは邪悪になるな、って言ってたけどそれ廃止していいことしよう、なんて社是変えちゃったけど危なっかしいもんなあ。まともな倫理を復権させないと簡単にこの世の中ディストピア直行ですもんね。

 そして思考戦車のあとは市役所と防衛センターに殺到する抗議電話。AIが対応してるけど、今すでにもうそうなってる感じ。事実今のSNS大手はどこも抗議しても『個別のケースにはお答えしておりません』なんて木で鼻くくったみたいな返事しか来ない。でもNHKでTwitterジャパンのオフィス取材した番組があって。そこでちゃんとクレームに返事してるんですよね。多分あれは大手の広告主相手なんだろうなー、ずるいなー、やだなー、って見てました。あれ見てて不愉快にならない人っているんだろうか。彼らにとってユーザーなんて虫けらだってことですもん。

 阿賀野さんと矢矧さんの損傷に驚く整備士たち。これ、『パトレイバー』のグリフォンに対抗し帰投したアルフォンスを整備するシーンを思いました。パトレイバー大好きなんです。80年代のアニメ見て物語を描きたいなーと思ってました。今こうして描いてられるから、ほんとありがたいもんです。

 司令の古傷についてはあとで描いてるので割愛。

 公安外事部からのメール。能代さん、実は警察公安部にパイプ持ってるんです。ほんとにツンデレ優等生。

 そこにやってくる着物姿の旅館の女将さん。月岡温泉のどこかと思ってますが具体的には想定してないです。どこかなんだろうなあ……。まあそれは後で。

 そして対決第二ラウンド、思考戦車対能代さん。そこに現れるMBT、26式戦車。これ図面を作ったのでご参照を。砲塔内は車長のみ、砲手と操縦手はサイドバイサイドで車体前方に乗車するスタイルですこし今より未来側のトレンドを狙ったのですが普通に3Dでそれだけつくるとちょっと間延びしただけの自衛隊の10式や90式に見えてしまう。あちゃー。でもそのあと主砲にジャケットつけたり遠隔操作の銃塔つけたら未来っぽくなりました。これ反応装甲とかを追加してモリモリと情報量足せばまた見栄え違うでしょうね。むむむ。

(続きます)

本編はこちら。


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