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#4「あがのあねさま」制作快調特番!「 ここが海老名なら、きみは新発田 」

総 裁:阿賀北ノベルジャム参戦記である。我が著者は新発田取材を終えた。なにしろ我が著者は新潟に土地勘がないのだ。あろうことか上越新幹線新潟駅の構造も誤認しておった! あそこには車止めはない。あの終点の先に車両基地があるのだ! そんなことも知らなかったのだ!
ツバメ:ひいい、危なかったじゃないですか!
総 裁:そのことをきっかけにその車両基地から新潟空港まで新幹線を延伸する計画のことを知ることが出来た。ほかにもいろいろ土地勘的なミスがいくつもあったのだが、それを訂正することが出来た。
ツバメ:だから取材経費安くあげるために私たちエビコー鉄研シリーズは海老名と厚木が舞台なんですね。ほんともー。
総 裁:ない袖は振れぬ。背に腹は代えられぬのだ。
ツバメ:いつも軍資金不足に泣かされますね。でもあんなバイトいっぱいしてるのに何でだろう。
総 裁:著者が下らぬものに無駄遣いしておるのだ。ええい、鉄研制裁であるのだ!
ツバメ:鉄拳制裁じゃなくて鉄研制裁なんですね……。
総 裁:しかも新発田取材ではほとんどテツな取材が出来なかった。白新線にちょっぴり乗っただけである。実にふがいない!

ツバメ:著者さんもうちょっと頑張ってほしかったですね。テツなYouTubeライブしてるんだから視聴者サービスしてもいいと思う。
総 裁:新発田駅の地下道の階段上るのにヒーヒーになっておったからの。
ツバメ:著者さん不摂生が過ぎますよ。
総 裁:そういいつつ訂正作業は進み、完成していった。しかし!! 今度はこれほんと面白いのだろうかという素に返る現象が始まった!
ツバメ:ひゃああ、またですか!
総 裁:あれだけオタ友たちやフェローの萬歳さんにウケているのになにを妄動しておるのだ。実にけしからん!
ツバメ:まあ私たちもいつもJAM国際鉄道模型コンベンション出店の前になるけど……あれ、なんなんでしょうね。
総 裁:おそらく真夜中に書いたラブレターと同じであるのだ。どんどんテンション上がってサクサク書いてしまうのだが後で読むと大赤面となるアレだ。
ツバメ:え、総裁、ラブレター書いたことあるんですか?
総 裁:うっ、ツバメくん、そこに虫眼鏡を当てるでない。
ツバメ:えっ、ほんとに書いたんですか!
総 裁:それはノーコメントであるのだ!
ツバメ:ほんとはどうなんですか。
総 裁:ノー・コメント、である!
ツバメ:まあいいか。
総 裁:まさかツバメ君が鉄研御波くんのように詰めてくるとは思わなかったので冷や汗をかいてしもうた。
ツバメ:え、冷や汗って?
総 裁:ひいいい。忘れるのだ。それより著者の素にかえったピンチの話であるのだ。著者はそれでただでさえ空費してきた時間をさらに空費した。
ツバメ:バイトもあったけどなあ。

付録作り

総 裁:そこではじめたのが添付図用の相関図作りや3Dモデリングなのである!
ツバメ:相関図って作るのめんどくさくありません?
総 裁:ところが今ウェブでそういうものを簡易に作るサービスがあるのだ。不勉強にして知らなかったのだが今回それを使った。しかしそれにはできればキャラのサムネイルがほしい。ゆえ、編集佐藤さん経由でヤマシタさんに発注したのである。
ツバメ:それで出来たのがこの相関図ですか。

(見てる)

ツバメ:割と複雑ですね。
総 裁:登場人物が多いからのう。減らしてシンプルにするはずが、話の中で関係が深まるにつれてそうなってしまうのだ。
ツバメ:でも阿賀野三姉妹のアイコン、かわいいですね。ちゃんとキャラもたってるし。
総 裁:ヤマシタさんのデザインは優れておるからのう。高い読解力と洞察力を感じるぞよ。なにしろ横顔の阿賀野さんの姿、あれにはなんとSDGsが反映されておる!
ツバメ:あ、ほんとだ!
総 裁:それに阿賀野さんが近接戦で使う剣・ファルシオンもその通りに作図してくれたのだ。だがこれは著者が語感でえらんだものなので形が想定外となり、あとでダガー近似の形状に変更してもらったのである!
ツバメ:ファルシオン、本物はなんか菜切り包丁みたいな形ですもんね。
総 裁:実際最近の実在兵器は名前不足で困っておるのだ。かつての兵器、ミサイルなどはなかなか優雅な名前が多かったのだが、最近は名前不足で頭字語、イニシャリズムやアクロニムを使う羽目になっておる。
ツバメ:AIM-54フェニックス、AIM-9サイドワインダー、RIM-2テリア、RIM-24ターター。それぞれ優雅な単語だったのに最近はESSMとかRAMとかなんですね。わかりにくい……。
総 裁:うむ、ツバメ君もこういう艦船用語を理解してくれて弥栄なり。
ツバメ:うっ、ただ総裁の作った原稿読んだだけですよ。
総 裁:それでもヨイぞよ。これで我が鉄研水雷戦隊も前途有望なり。
ツバメ:そうかなあ。でもヤマシタさん困惑してますよね。これだと。
総 裁:編集佐藤さんはさらに困惑しておる。しかもこの「あがのあねさま」ではそんなのが8万字続くのである。
ツバメ:ひいい、めちゃ苦行じゃないですか!
総 裁:明らかにとんでもない負荷がかかってしまうのだ。

茶山さんの難航

ツバメ:それに茶山さんの作品、難航してるんですよね……。
総 裁:そうなのだ。チーム全体のワークロードに影響しておる。
ツバメ:ヤバいじゃないですか!
総 裁:そこで著者はもう「あがのあねさま」のほうは参加賞で十分、茶山さんの完走を目指すことにしたのだ。
ツバメ:そうですよね……。それが普通ですよね。
総 裁:その転換をしたのが原稿完成1週間前。
ツバメ:遅すぎますよ!
総 裁:そのとき、茶山さんが「書いても書いても終わらない…」と投稿。
ツバメ:ひいいい、この時点ですでに3万字!
総 裁:だが茶山さん、このとき、原稿の締め切りをこの日と誤認しておった!
ツバメ:茶山さん、しっかりして!
総 裁:このとき必死になっていた茶山さんはほっとするのだが、我が著者はその茶山さんの原稿を読んでさらにびびった。なにしろその3万字、作業用テキストと原稿用テキストが混在してそれで3万字なのだ。内容的には茶山さんの作品は歴史もの大長編である。
ツバメ:間に合わないじゃないですか!
総 裁:我が著者もそのことに気づいてビビりまくった。目算的に普通にやったら茶山さんの作品、原稿で6万字、作業中のテキスト含むと8万字ぐらい必要な作品なのだ。
ツバメ:あと1週間しかないですよ!
総 裁:しかもタイトルもこの時点で未定であった!
ツバメ:ひいいい!
総 裁:そこで著者は茶山さんにメッセージを送った。体裁を整えることを優先することで完走を目指しては?と。
ツバメ:で、どうなったんですか。
総 裁:茶山さんからの返事は「しんどいですが、やりきりたいんです」というものであった。
ツバメ:ええええ!
総 裁:「生意気いってすみません」とも添えられておった。
ツバメ:間に合わないですよ。
総 裁:しかしワタクシはこれに実に感じ入ったのである。覚悟としてなかなか素晴らしいのだ。完走だけが価値ではない、とかえってそのことに感じ入ってしもうた。
ツバメ:完走できないのに?
総 裁:ノベルジャムの趣旨はそういうことではないのだ。創発による作品の可能性追求、仲間を増やすコミュニティ拡充、そして体験をつうじての技能向上・強化学習がテーマであるのだ。つまりこの中に賞レースや完走はスパイスでしかない。ゆえ、若い茶山さんにとって、このノベルジャムの体験は十分次に、将来につながるものであることは確実であるのだ。中途半端に手を入れられて不完全燃焼での完成より、完全燃焼でリタイヤのほうがずっとヨイものになるであろう!
ツバメ:そうかもしれませんね。
総 裁:それに我が著者は作品を完走するための道具に堕させていなかったかと胸を打たれ大いに反省したのだ。完走だけがすべてではない。ここまで覚悟すれば、また道も開け、結果もついてくるかもしれぬ。茶山さんはそれを理解していた。実にあっぱれなり。
ツバメ:なるほど……。でもそれで茶山さん、どうなったんですか。
総 裁:いよいよ本当の締め切り。茶山さんは奮闘していた。4万字を超え、5万字にせまる。佐藤さんのマンツーマンでの提案で形がどんどんと整っていく。そんななか、佐藤さんから「あがのあねさま」の文字校おわりました、とのメッセージが。

痛恨のepubメモ


ツバメ:ええっ、読んでくれたんですか!あの9万字を!
総 裁:苦行であったと思う。しかし、しっかり訂正されておった。ただ著者は原稿をグーグルドキュメントファイルと同時にepubでも提出していた。佐藤さん、epubにメモってしまったのである。
ツバメ:ええっ、epubにそんなメモ共有なんて機能ありましたっけ。
総 裁:ないのだ。我が著者がその旨申し上げておけばこんな悲劇は避けられたのである。
ツバメ:ひいい。この忙しい最終盤でなにやってるんですか。
総 裁:佐藤さん、しかたなくepubに付けた大量のメモをすべてスクショして宅ふぁいる便で送ってくれたのである!
ツバメ:ひいいい! 佐藤さんすみません!!
総 裁:それでなんとか文字校の反映作業は出来た。佐藤さんの終盤での大活躍、獅子奮迅であった。

終局・ゴールの向こうに

総 裁:そして我が著者は最終稿を提出した。7話なのに6話のファイルをアップし忘れたりしたが、なんとか提出終了である。
ツバメ:ほんと最後まで間が抜けてますよね、うちの著者さん。でも茶山さんはどうなったんですか!
総 裁:最終日16時時点「全然残り4つじゃなかった」とおっしゃっていた。
ツバメ:ほんと最後の最後までの粘りですね。
総 裁:18時、著者が「終わりが見えてきた、がんばって!」を送信。
ツバメ:ひいい。
総 裁:23時13分、全て書き上げました!と茶山さん。
ツバメ:あと47分!
総 裁:そして0時、茶山さんが「提出しました!」と報告!
ツバメ:間に合いましたね!!
総 裁:ぎりぎりではあったのだが、ついに茶山さんも完走である。チーム山米茶文庫、2名とも完走であるのだ。茶山さんの作品、最終的に「宵闇の盃」と命名された。
ツバメ:茶山さん、すばらしい!!
総 裁:いい経験になったと思う。茶山さん聡明なので、今後もまた期待できるのだ。
ツバメ:そうですね。

そして発売に向けて

総 裁:そしてここからはBCCKSでの本作りの作業である。もうすぐ読者の皆さんに作品が届けられる。ちなみに我が著者、折り数で決まっている紙本のページ数と電子版のページ数の齟齬で???となったりしているがそれもいつもの話である。
ツバメ:著者さんいつもこんなですよね……。いい加減慣れればいいのに。
総 裁:我が著者情けなや……。
ツバメ:で、発売はいつなんですか?
総 裁:今年のクリスマス、12月24日であるのだ。
ツバメ:クリスマスプレゼントになりますね!
総 裁:紙本はそこから後のお届けになるのだ。
ツバメ:お正月に楽しめるかな。
総 裁:というわけで、「あがのあねさま」クリスマスとお正月に楽しい娯楽大作であるのだ。我が著者のSFシリーズ「プリンセスプラスティック」の系譜を踏みつつメインストリーム作品となるものなり。是非ご覧いただきたく!!
ツバメ:よろしくおねがいしますー!! あ、そうだ、表紙はどうなったんですか?
総 裁:うむ、ここで初公開である!!

ツバメ:こうなったんですね……これが阿賀野さんなのか。
総 裁:著者の書いた阿賀野さんよりずっと上品で良い仕上がりである!!
ツバメ:そうですよね。力作だ。
総 裁:ぜひ読者諸賢にはご購入の上、本文もお確かめいただきたく!
ツバメ:よろしくおねがいしますー!!



総 裁:あとここで我が著者から発売後になにか発表があるらしい。
ツバメ:なんでしょう?
総 裁:わからぬ……なにを企んでおるのだ著者……。

総 裁:ちなみに我が著者、こんなピンバッジを作っておった。
ツバメ:かわいい!!
総 裁:まだいろいろやる気らしいぞ我が著者。
ツバメ:マジですか。
総 裁:刮目して待たれよ! である!


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