詩『吐き出す息よ白くあれ』


熱ばかりあって温かみはない
炎天下の締め切った部屋で
縛り上げられているようだ
生ぬるい水では火照った身体は癒えん

ああ!
吐き出す息よ白くあれ!
細く長い溜め息に
命灯らんのならば
世情氾濫のままに
なんとつまらんことか


幼き病の全能感よ
キャステルパルトの響きの良さよ
社会の可笑しさに
染まった今こそが病
ああどうか狂える薬をおくれ
熱にうなされているのだ


いかん!
不幸にも恵まれ切ったこの世に生まれたことを誇ろうではないか!
満たされきった腹から臓物を引きずり出して差し出そう
熱の輪郭を見つけるまで語らおうではないか
今宵、吐き出す息よ白くあれ!



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