詩|ほどほど賛歌


今日は、
ほどほどに空は曇ってて
ほどほどにやりたいことがあって
ほどほどに心がほぐれていて
ほどほどになんだか悲しくて
ほどほどに今朝の夢を覚えていて
ほどほどに他愛もない話を聞いて
ほどほどにおなかが空いていて
ほどほどに疲れが溜まってて
ほどほどにパンケーキが美味しくて
ほどほどに世界の真実がわかってて

でもどれも言葉にならなくて
昔に戻ったみたい。
何にも生まないけど
何にでもなれる
赤ちゃんみたいなやつ

でもこれじゃ生きていけないんだよなー
って声で引き戻される
大人がおかしくなるのは
仕事のせいだって誰かが言ってた

ほんとはさ
365人の小さな村で
僕は毎日詩を歌うから
農家のおじさんに野菜をもらって。
でもおじさんも歌いたいだろうから
僕もたまに畑を手伝って。
「助かるよ」って言われて
豊作とよさくさんの笑顔見たいだけですよ、今はね」って返して
「がはは、なんだ、その含んだ言い方は」って笑われて
「この会話も今度歌にしますね」って返して
「楽しみにしてるよ」って応援されて

こんなの
全然ほどほどじゃないこと知っているけど
ほんとは
これくらいがほどほどのはずなんだ



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