詩|宇宙の果てのおじいさん


昔はゴミ溜めすら宝の山だった
だけど中学生のある日
そこにおじいさんが捨てられているのを見つけた
それもひとつじゃなくふたつ、みっつ、よっつ。
音もなく、
すべて分かってしまった気がした

どうでもいいことと
どうでもよくないことが
分かった人生はもう終盤戦


今日は、
君の胸のほくろに期待した
公表してしまえば
世界は驚くと思った

今日は、
夜の河川敷に期待した
危ないと聞いていたが
寒くなってやめた

今日は、
君の首筋に期待した
自らの手で殺めれば
何かが変わると思った

今日は、
自分の作品に期待した
読ませてしまえば
引きずりこめると思った


小さな幸せで誤魔化して
泣ける映画を漁る日々
想像をひとつも超えてこない現実
大丈夫。
きっと死んだままなら生きていける
しかもみんなだいたい同じ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?