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初めての東京-山手線、ハチ公、統一原理

前回に続く。16歳の時、真理を求めて単身東京に行った。東京駅に着いて先輩のいる南平台の学舎に電話してみると、先輩は春季開拓伝道で北海道の室蘭に行って不在とのこと。唯一頼って行った先輩が居なく途方に暮れていると、電話をとった人が「電車に乗って渋谷まで来て下さい。そこにはハチ公という犬の像の前で叫んでいる人がいるので、その人と一緒に来て下さい」との事だった。早速東京駅の外に出て見たがチンチン電車は走っていない。山口県下関では電車というと路面電車のことを指す。また南平台に電話すると路面電車ではなく山手線の緑の電車で東京をグルグル回っている、それに乗って渋谷まで来て下さいという説明だった。渋谷駅に着くと、言われた通り忠犬ハチ公の像の前で若者が叫んでいた。「宗教と科学を統一する新しい真理」というのぼりを立てて路傍伝道を堂々とやっていた。私の事情を説明し、夕暮れになって路傍伝道が終わり、伝道していた親切な青年たちと一緒に南平台に行った。

南平台の宿舎に無事着くと「お帰りなさい」と笑顔で皆に歓迎された。普通「いらっしゃいませ」なんだけど、「お帰りなさい」という優しい言葉に不思議に思った。確かに神様の目から見たら人生を彷徨っていた放蕩息子がやっと帰って来たので「お帰りなさい」と言われたのかもしれない。夕食を済ませて大学生の様な方に誘われて一緒に銭湯に行った、銭湯では何とその大学生の方は私の背中を流してくれて、私の家族のこと、東京に来るまでの苦労話など親身になって色々と聞いてくれた。一晩南平台に泊まって明る日、渋谷の松濤本部に車で送ってくれた。夕方から始まる横浜大倉山でのセミナーまで時間があるので、午前中スッタッフの方が私1人を前にして統一原理の一部「創造原理」を講義してくれた。

そして午後セミナー会場である横浜の大倉山というところに連れて行ってもらった。広い公園の様な大きな敷地の中に「大倉山精神文化研究所」という立派な建物を借り切ってそこが会場となっていた。大阪、京都、鳥取など北は北海道から南は九州まで全国各地から約40名の高校生が集まって統一原理を学んだ。このセミナーは単に真理を知的にのみ学ぶ講義ではなく生活全体を通して真理を学び、祈り、神様を感じて貰おうという目的で企画されていた。そのため修練会と呼ばれるこのセミナーはとても規則正しいプログラムだった。起床、点呼、体操、掃除、朝拝、朝食、講義1、講義2、班に分かれて昼食、スポーツ、午後から講義3、講義4、夕食、風呂、感想文、祈祷会、就寝など濃い内容だった。講師は方は熱心なクリスチャンで東北出身の方だった。そして講師の方は私と下の名前が同じだったので親近感を覚えた。

講義内容は主に聖書を基にした内容で神学は広範囲に及ぶ。主な講座は創造原理、堕落論、終末論、復活論、キリスト論、予定論、復帰原理、再臨論などだった。

1966年、今から57年前の体験だから忘れたこともあるが印象に残った内容を述べて見たいと思います。《続く》

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