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推しのアイドルと二人で…デートが出来る!?夢は現実になる(うの散歩)

先日、推しのアイドルの女の子と二人でデートをしてきました。

こちら、好きな子、くぴぽのうのちゃん。

カレーとうのちゃん

とっても可愛いね。

 
アイドルグループ”くぴぽ”が主催していた”服部フェス”のクラウドファンディングのリターン品に、「うの散歩」というものがあり、うのちゃんと30分、ライブハウス周辺を二人でお散歩出来るという内容だった。
リターン品の数々が発表され、うの散歩の内容を見たわたしは何の迷いもなく購入を決めてしまったのだが、後ほど男性オタクの方が、購入をまあまあ迷ったという話をしていて、己の恥じらいのなさを感じてしまった。

けれど、図々しくも「一生に一度きりかもしれない!」という思いで購入しないという選択肢が頭になかった。だってこれはデートだし、好きな女の子とデートが出来るかもしれないのなら、遠慮して身を引く理由が全くなかった。

そして、購入してから数ヶ月後の9/15がうの散歩の日になった。


全く現実味がなかったのに9月に入り急に現実味が増してきてすごく焦ってきた。あと二週間しかない。どうしよう。まず、あらゆる準備が必要だと思い始めて、準備を進めることにした。
服を決める、美容院を予約する、美容院に行く、プレゼントの内容を決める、それを用意する、話す事を決める。少しでもダイエットをする。

ダイエットとかもう、全然間に合わない。

間に合わないのは承知で9/1に24時間ジムを契約して、ライブなどで帰宅が遅い日以外はほぼ毎日通った。体重はほとんど変わらなかったけれど心なしか健康になった気がするし、気持ちのやりどころがない時に無心で筋トレマシンで苦しんでみたら気持ちが紛れて良かった。
何より、もうずっと家に居て「何もしていない」という罪悪感を持っていた引きこもりが、「とりあえず毎日ジムで筋トレと有酸素運動とウォーキングをしてシャワーを浴びて帰宅している」人間になって、ほんのちょっとだけ質の良い引きこもりになれた。

服を決めるのにとにかく悩んで時間がかかった。人生で初めてヘッドドレスを買った。美容院に行き、ずっとプリンだった頭頂部を綺麗にした。
後で気付いたけどヘッドドレスに隠れて綺麗にした頭頂部は全然見えなかった。でも、それでも良かった。
美容院に居る時もずっとうのちゃんの事を考えていた。うのちゃんとデートをするために髪の毛を綺麗にするのもこれが最初で最後かも、と思ったら嬉しかった。

プレゼントは最初から花束をあげる事に決めてた。
デートと言えば花束だから。
けれど今回は生花をプレゼントするのは難しいよなぁ、でも造花はわたしがあんまり好きじゃないから何か他の形で花束をあげたい、と考え続けた中で、たまたま毛糸で出来た立体的なお花で花束を作っているハンドメイド品がある事を知った。「これだ!!!」と思い、色々と探してまわり、それからピンクや白のチューリップなどのお花の小さな花束を買った。うのちゃんのイメージにあってて、コロンとしたお花が可愛らしい花束。

ギリギリではあるが何とか準備は間に合った。準備が落ち着くと今度は気持ちの方が焦ってくる。
ベタ過ぎるけど、前日はベッドに入っても目が有り得ないほどにギンギン、ほとんど眠れず、朝になり、三度寝くらいの末になんとか起きて鏡を見て肌がガサガサな自分に失望したあとに、シャワーでいつもの二、三倍くらいの時間をかけて体を洗った。
デート前日の男性の気持ちを初めて知った気がする。


*******

うの散歩の時間は夕方から。
時間までに、仲良くしてもらっているくぴーぷる(くぴぽのファン)のフォロワーさんがご飯に付き合ってくれたりなどして、一緒に時間を潰してくれた。お昼にハンバーガー屋さんで何故かわたしはセットを頼んだものの緊張で上手く食べられず、セットのポテトはほとんど食べてもらった。
やばい、やばい、しか言えなくなる。
自分の事しか考えられず、せっかく遊んでもらっていたのにわたしに余裕が無さ過ぎて大変に迷惑をかけてしまった。今これを書きながらめちゃくちゃに反省をしている。ヘッドドレスは大きくて厚くて毛糸の素材だったので朝から着けていたら汗をたくさんかいてしまうかもしれないと思い、ギリギリに着けて待ち合わせ場所に向かおうとしたのがなかなかに仇になってしまいタイムアタック的移動になってしまった。もっとなんかこう上手にやれたはずなのに、わたしの段取りがあまりに悪くて、フォロワーさんにかなりお世話をしてもらいながら準備をし、別れて大慌てで待ち合わせ場所に向かった。
時間ピッタリに到着。わたし、汗だく。


待ち合わせ場所のMARZの前に、私服姿のうのちゃんと、スタッフの方が居た。
天使かと思った。天使が、居る…。
一番最初に目に飛び込んできたものが、微笑んでいるうのちゃん。わたし、汗が止まらず。

MARZを出発して、テレビなんかにもよく映る「歌舞伎町一番街」のゲートの方に歩いていく。
隣を見るとうのちゃんが居る。下を見ると地面、汚い。こんなに可愛いうのちゃんが歩いているというのに歌舞伎町の地面はなんでこんなにも黒く汚れているんだ、とか、こんなに汚かったっけ、とか、しょうもないことになんだかヤキモキした。
色んな人がわたし達の横をすれ違っていく。その誰ともうのちゃんが違う人種のように見えた。ライブハウスの照明に照らされたうのちゃんしかほとんど見る事のないようなオタクにとって、陽の光のもとにいるうのちゃんはあまりに眩し過ぎる。
光の繊維の一本一本が透き通ってしまいそうな、けれど血色のある白い肌に、神様が丁寧に作っただろう繊細さがある。
わたしは緊張なのか、日中の暑さなのか、もはや何か分からないけれどとにかく汗が止まらないのに、横を歩くうのちゃんは全く汗をかいておらず、同じ空の下に居るとは思えないくらいにさらさらしていて、ああ、アイドルなんだなぁ…とふいに感じたりしてしまった。

うのちゃんから、普段でも普通にこの辺歩いたりしてるよ!という風に言われて、「こんなに可愛い子が歩いてたらめちゃくちゃ目立っちゃいそう…」と声が出た。同時に、わたしにとっての非現実的な存在であるアイドルのうのちゃんが、普段生活をしている地から遠く離れた東京の新宿というわたしにとって身近な地を時々私服で歩いている、ということを教えてもらったことが嬉しかった。

歩きながらうのちゃんが、今日の私服のポイントを教えてくれた。
白いニットの半袖に、ミニスカート。世界が敵に回ってもわたしはデート服だと宣言する。
風が少し強かった。うのちゃんのピンク色の髪の毛が風にさらわれていて、アニメのワンシーンみたい。

緊張と夢の中にいるような気持ちでずっと頭がフワフワとしている。

この日までにあらゆる脳内シュミレーションをしていたのだが、脳内ですら緊張しっぱなしだったわたしは当たり前のように当日も上手く喋れず、初めてデートをした中学生みたいに地面とうのちゃんを交互に見た。
終始、緊張する…、だとか、汗が止まらなくてごめんね、のような同じ文言を戯言のように繰り返していた気がする。


歌舞伎町の方へ歩みを進めていき、チェキや写真を撮る場所を探しながらTOHOシネマズの前まで来た。
この辺りまでは来たことがあるがその先には行ったことがなく、未知の場所へうのちゃんを連れて行くのは大丈夫なのだろうかと思いながらその先を見てみたら何やら暗いしなんだか怪しげだったので、スタッフの方に「あの先は危なそうですかね?」と聞くと「危なそうですね」との返答があったので、ここでチェキを撮る事にした。
(向こう側には詳細は知らないけど明らかにエッチそうなお店が乱立しててこれはダメだと思った)

TOHOシネマズを正面に、後ろの人混みを入れる構図でうのちゃんのピンでのチェキを撮ってもらった。
私服の推しのうのちゃんと、背景には新宿の人混みの、歩き回るたくさんの人。いつも隣にいることない人と、よく見る建物たち。非現実的と現実の風景。
とても綺麗だった。そこでツーショットも撮った。

それからぐるっとまわって、MARZの方に戻る事にした。
途中にある叙々苑を見たうのちゃんが「叙々苑があるよ!」と教えてくれた。可愛過ぎる。彼女かもしれない。良いお肉を少しだけ食べるのでもいい!と話してくれて、今度まきちゃんに連れて行ってもらうといいかも、とつい無責任な事を言ってしまった。
歩きながら「未だに緊張しちゃって、マスクを取って話す事が出来なくて」と伝えたら、「じゃあ、このあとのチェキか写真は、マスクを取って撮ろうよ!」と言ってくれた。うのちゃんからこういう事を言ってくれるのはとても珍しいなと思った。
あと5分です、とスタッフの方が声掛けをしてくれる。MARZの奥の坂の上の方の、西武新宿駅の前で最後にチェキを撮って終わろう、という事になった。

そこで、用意していた花束をうのちゃんに手渡してプレゼントした。

本当は待ち合わせ場所に早めに着いていて、そこに現れたうのちゃんに、スッ、と実にスマートに手渡ししたかったのだけど、随分最後の方になってしまった。花束を見たうのちゃんが喜んでくれて、とても嬉しかった。
うのちゃんに出会って2年半程経って初めて、うのちゃんの前でマスクを取って一緒にチェキに写った。わたしの顔はガチガチに緊張していて口元が強ばってたけど、それも思い出になるなと思ったらこの瞬間の全てが愛おしかった。
ツーショットのチェキは、誰にも見せたくない。これはわたしだけの宝物にしたい。

西武新宿駅前からMARZに戻る途中に、さっきまで無かった人だかりがあり、見知った芸能人の方がテレビの撮影をしていて、その横を通り過ぎながらうのちゃんと、「うちら、映っちゃったかもしれないね!」と話しながら、MARZに戻り、解散した。
あっという間に終わるかと思っていた30分が、神様からのプレゼントなのかとても長く感じて、最後までフワフワとしたまま終わった。

夢と現実の狭間みたいな感覚の中で、それでも最後まで確かに緊張はしている、ずっと好きでいる女の子と初めて二人でデートをした男性ってこんな気持ちなんだろうか、と思った。きっと世の中の男性も、デート前にあらゆる脳内シュミレーションをしたり、たくさん準備などをしたりして、そして当日、なんだか上手に話せなかったり目を見れなかったりして、それでも幸せな気持ちでお別れをするのかもしれない。


全てが終わった感覚になり抜け殻になりかけながら、そのあとそのままMARZで集団×くぴぽのライブを観た。
チケットは抽選だったのにたまたま整番が良かったから、最前のうのちゃん前あたりでライブを観ることが出来た。アイドル衣装を着て、照明を浴びながらステージの上に居るうのちゃん。いつも会っている姿のうのちゃん。
でも今日は、今日だけは、さっきまでの私服のうのちゃんにわたしだけが会っていて、わたしだけが知ってる。ライブ中にうのちゃんと目が合う度に変な感じがした。
そんな不思議な気持ちと、いつもと違うエアーバンドセットのパフォーマンススタイルが相まって、なんとも現実味の薄い感覚を引きずったまま、その日のライブが終わった。

特典会でもうのちゃんとお話をして、今までで一番長くうのちゃんとお話をした日になった。くぴぽの打ち上げには二度参加したことがあったが、その時以上に二人でたくさん会話した。
散歩中にうのちゃんと、「またこういう機会があったらいいね」と話した。その時はこの日以上にたくさん話せたら嬉しいし、上手に喋れたらいいけれど、緊張で汗が止まらず話そうと思っていたのに言えなかったことがたくさんあったこの日はきっと、これから先思い出す度にとても愛おしい思い出になると思う。


*******

家に帰ってお風呂場でヘッドドレスと付け襟を手洗いして、ようやく現実に戻ってきた。
左手の薬指にはめていたオモチャの指輪も洗ってケースにしまった。去年の秋頃にうのちゃんに二度プロポーズした時に、自分用にも色違いで用意していた指輪、初めての外出。

失くさなくて良かったあ。





プロポーズ時。一度目は中身の指輪が間に合わず、箱だけを捧げてプロポーズをしている図。


ほんとうはうのちゃんの前で着ける予定も見せる予定も一切なかった物で、うのちゃんに見せるにはさすがに気が引けると思い、ずっと家に置いてあったのだけど、今日この日しかない!と思いきって着けてみた。多分今後もよっぽどの事がないと着けないと思う。本当に初めてだらけの日だ。


シャワーを浴びてから、スペースで少し話したりして、長かった一日がおわった。



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すごい企画だった。
わたしの他にも8、9人程の申し込みがあり、そのそれぞれがうのちゃんとの1対1のデートであり、三者三様の時間があったもしくはこれからあるのだと想像すると夢みたいだと思う。
もし来年も、こんな夢みたいな企画があったなら是非申し込みたいし、また何日も前から緊張したりドキドキしたりしたい。

そしていつかまたうのちゃんと二人でお話が出来る機会を夢見つつ、それまでは、ステージ上でキラキラと輝きながら歌って踊るうのちゃんにまた会いに行きたい。
ステージの上でも、太陽の下でも、うのちゃんは可愛かった。絶対的に可愛い。



うのちゃんが、せかいでいちばんかわいいよ!

TOHOシネマズ前より


この日、夜中にスペースで一人喋りをやってみた際に、うの散歩やうのちゃんについてたらたらと話したりもしたので良かったらこちらもぜひに…。https://x.com/angsheep_nanaya/status/1835350139789254949?s=46&t=fjTxf5spW1M17fML2oBGHw


夢みたいな事も時々起こる、アイドルオタクのアメリカンドリームな一日でした。

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