自分を定義する言葉に気をつけよう

日常でふと耳にするこんな会話。
「〇〇さんって、真面目だよね」
「〇〇さんって、優しいよね」
「〇〇さんって、ちょっと冷たいよね」

普段は気にすることのない会話。
自分は軽く受け止めているつもりでも、何度もこんなことを言われ続けていると、いつか自分は他人によって定義されてしまう。

例えば、あなたが居酒屋でアルバイトをしているとしよう。
誰よりもテーブルを綺麗にふき、丁寧な接客をする。ミスも殆どしない。
すると別のアルバイトの子に、こんなことを言われる。
「そんなに真面目にやらなくてもいいよ、社員じゃないんだから。テキトーでいいよテキトーで」
また別の日には、店長にこんなことを言われる。
「〇〇さんは、いつも丁寧で助かるよ。真面目に働いていて偉いね」

普段は自分のことを真面目だなんて思うことはない。
でも、他人から真面目だと言われ続けていると、確かにそうかもと感じる時がある。
そしていつの日かこんな場面に出会う。

その日も夜にバイトがあり、授業も部活もしてきた私。もうヘトヘト。
客が帰った後、テーブルを片付けに行くと、かなり散らかっている。
重い体を動かし、なんとか片付けを済ます。
それなりに片付けた後、ふと、小さな汚れに気がつく。
今日は疲れてるし、これくらい気にならないか。他の子はもっと汚いし。
そうしてテーブルを後にしようと思うが、とある記憶が蘇る。
「〇〇さんは、真面目だよね」
真面目な人は、ダメなところに気づいていながら、それを見過ごすことをするだろうか。真面目なのに、こんなことしてもいいのかな。
結局、小さな汚れも綺麗に拭き取り、席を後にするのだった。

別に、仕事を雑にしろとか、たまには息抜きをしろと言いたいのではない。
丁寧に仕事をして、小さなミスも逃さないのは立派なことだ。
でも、それは自分で考えて行動したことなのだろうか。

あなたは、他人に定義された言葉に縛られていないだろうか。
いつも明るい、冷たい、面白い、暗い、優しい、賢い・・・

皆さんも一度考えてみてください。
過去に言われたことを。あなたは周りの人にどんな人と言われますか。

特に、褒め言葉は要注意。
先ほどもあげた、真面目や優しい、賢いと言った言葉は、相手をがっかりさせたくないという気持ちから、相手の都合のいいように行動してしまいがちです。

あなたが優しいと言われたのなら、ありがとうとだけ言って、そのことは忘れてしまいましょう。
あなたが優しくするべきは、他人ではなく何よりもまず、あなた自身です。
他人に合わせようとして、無理をする必要なんてありません。

言葉は呪いです。
呪いを解くのもまた、言葉です。

あなたは、他人によって縛られている自分を認識して、縛りを解いてあげる必要があります。

これからの人生で、誰かが自分を定義しようとする言葉を発したら、思い切ってこんなふうに言ってみましょう。

「あなたに私の何がわかるの」

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