次に繋げる痛み_11月16日真偽日記
「はあ、はあ……」
息が切れる。
必死に鞭を打ち続けた体はボロボロで、体が千切れそうだ。
実際にどこかが千切れているのか、ぶちぶちと繊維の切れる音がする。
「まって、休憩を、」
悲鳴を上げてもどんどん前に進んでいく。
引きずり回されるような感覚に、どうにか足を動かす。
体が硬直して熱を帯びる。もうだめだ。いい加減どうにかなってしまいそうだ。
限界ギリギリのところで、ようやく解放された。
力を抜いて倒れ込む。全体が異様に熱くて痛い。今日は酷い強行軍だった。
痛む体を回復させることに集中する。
次第に、熱さの感覚が変わっていく。
ああ、ああ、なんだか自分が強くなっている気がする。
まるで自分の体が生まれ変わるみたいだ。
昨日受けた痛みは残っているけれど、この痛みすら気持ちいい。今ならなんだって出来そうだ。
「痛っててて、筋肉痛だ……!」
引きずり回した張本人が何かを言っているが、何だっていい。
強くなるための痛みに、俺は浸ることにした。
…
この土日のせいで完全に筋肉痛だ。足がとても痛い。
とはいえ私は筋肉痛が好きだ。面白い。
ワクチンの副反応で腕を痛めた時も面白くてどの角度がいちばん痛いかを確かめていた。今日は歩くだけで痛かったので嬉々として歩いていた。
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