見出し画像

#よんなな朝の歌 ’24.1①

 考えてみれば、新しい年の幕開けに相応しくドヴォルザークやスタメナの重厚な楽曲で幕開けをしようと思っていたら、重苦しいニュースが立て続けに起こるざわつく年の幕開けになった。それぞれの文化に節目はあっても、自然の前では何事も無力であり、日付は記号でしかない。
 一方、人間の営みは記号の羅列では決してなく、予見のできない出来事の前に失望の念を抱く他はない。正月の祝い酒を酌み交わしていた瞬間に自分たちのテリトリーが一変し、その影響は何年も続く。震災ではないけれども、昔親戚の家が火事になった折には生活が真の意味で再建されるまでに10年はかかった実感があるんだよ、と。年が明けて半年に近づくけど瓦礫の片付けも手につかないとか、生業の復旧もままならないとか、伝わってこないだけであって大変なことは山積している。
 そんな中、四国に旅してきた。
 名古屋発高松経由・愛媛行の夜行バスで、高松駅に着いた朝。紹介した「片道の夜行バス」のような悲哀に満ちた物語はなかったと信じたいが、東南アジア系の留学生と思しき若者が、大輪の造花を持ってバスに乗っていた。鮮やかな100本余りの薔薇に見えたが、あの花は何だったのかな…彼には聞けずじまいだったけど。
 そんな正月の仕事始めで世の中が動き出す日に、初詣代わりの金刀比羅宮。石段を息を切らせながら登ってみた先の讃岐富士。「しあわせさん、こんぴらさん」の言葉のように幸せを願う気持ちは「瀬戸の花嫁」の主人公に向けてあげたいなと思った。そんな気持ちも瀬戸大橋線をマリンライナーで渡る頃には心の中でスローモーションで再生される花嫁の白無垢姿。瀬戸内海のどこの島なんだろうなと思いはせながら両面に広がる島を目で追いかけていた。
 そうしてお休みとしては拉拉拉拉(ララララ…)とした年末年始も終わり、新しい年に。この1年がどうなるか漠然とした思いはあったけど、なんか普通に過ぎた気がする。


2024.1.1 ドヴォルザーク「交響曲第9番『新世界より』第4楽章」

あけましておめでとうございます。そして、おはよんなな。2024年、新しい世界の幕開けに相応しい楽曲を。朝日が上がる瞬間を思わせるような弾き出しからの賑やかな情景は、新年の朝を象徴するよね。
午前6:47 · 2024年1月1日

2024.1.2 F.スメタナ「連作交響詩『我が祖国』より モルダウ」

おはよんなな。冬の朝、大きな川の河口近くの橋から眺める、太く緩やかに流れる川の流れを思わせるような骨の太い響きを感じる。川の流れは緩やかに見えて力強い。その普遍的な強さに強く憧憬を覚える。
午前6:47 · 2024年1月2日

2024.1.3 MISIA「眠れぬ夜は君のせい」

おはよんなな。眠れぬ夜の原因は何だろうと自分に問いかけてみる。決して誰かを想うことだけでなくとも、深夜まで思いを巡らすこともある。そんな夜もせめて、耳慣れた優しい音に抱かれて眠ることが出来れば。もう夜が明ける。
午前6:47 · 2024年1月3日

2024.1.4 seta「片道の夜行バス」

おはよんなな。あ、今は…高松駅のあたりに居ると思います。片道の夜行バスで名古屋から夜通し走りまして。こちらは気楽な旅ですけど、歌の中の物語は結構な悲恋で。遠距離に変わる恋愛の難しさは、バスターミナルが物語っている。
午前6:47 · 2024年1月4日

2024.1.5 小柳ルミ子「瀬戸の花嫁」

おはよんなな。高松駅近くのホテルで目覚めた朝です。これから快速マリンライナーに乗って岡山に向かう…そんな日。高松駅の電車接近メロディがそういえばこの曲でした。耳で瀬戸内の島を感じ、いざ岡山に向かいたいと思います。
午前6:47 · 2024年1月5日

2024.1.6 サカナクション「スローモーション」

おはよんなな。白く雪のよう…というワードを切なく描けるのは、さすが雪国育ちの一郎さんだな…と思う。雪が待ち遠しい土地の僕は大人になっても雪を待つもの。同じものも見え方が違う、だからその違いこそが面白い。
午前6:47 · 2024年1月6日

2024.1.7 魏如萱「拉拉拉拉」

おはよんなな。魏如萱の囁くような歌声が心地よい、冬の朝。暖かい布団に包まれながら、静かに穏やかな朝を迎えたい。小魚のように軽やかに泳ぐ世界を思い出しては、やかに見つめあう静かな時間を共有出来たら、それが一番の幸せよね。
午前6:47 · 2024年1月7日


いいなと思ったら応援しよう!