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#いまあなたに紡ぐ歌 Act.0001

あなたに紡ぎたい歌があります。
そんな思いで、言葉をかき集めています。
泣かすかもしれないし、心えぐったらごめんなさい。
少しでも共感があったら、喜びます。


風を待つ街

外は雨 風を待つ街
待ちぼうけ ひとりきりの夜
風を待つ船 風吹けばまた
顔を見せずに通り過ぎて
離れていくの 小さくなって

君旅に出る風よ来ないで
送り出した 一人きりの朝に
叫んでも 呼び返さない言葉
ただ海風にかき消されて

外は雨 船を待つ街
待ちぼうけ 置き去りの
風を待つたび 残されてまた
顔を上げずに通り過ぎて
忘れられるの 心薄れて

君旅終わらせる風はどこで
掴めるの 一人きりの夜に
叫んだら 返ってくるのかな
ただ海風にかき消されて

風を待つ街 ひとり吹かれて

待ちぼうけ 置き去りの恋は
ただ海風にかき消されて
待ちぼうけ ひとりきりの夜
顔を上げずに通り過ぎて

君旅に出る風よ来ないで

 (2023.11.6 やぐちひさし(よんなな))

【やぐちのひとこと】
 船舶の動力が風と潮目に任せざるを得なかった時代、日本の港町の中には「風待港」と呼ばれた港がいくつかあったようで。
 その港が舞台の恋も数多くあったろうと思います。良い風が吹き次第出ていく船を恨めしく見るように。
 恋愛にはそれぞれに、港と船の関係性はあるでしょう。なるべくなら船を留めおきたい港を演じていると、往々にしんどくなる。ただ港の役回りでの嵐でも留めたい健気さに、シンパシーを禁じえないのです。

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