「大福の字」 はらまさかず
みなさんのまわりに、もし、字を書くことのできる猫がいたら、どう思いますか?
その猫の書いた字を、ほしくなりませんか?
そう。
この前、神社で、『大』の字を書く手伝いをしたら、
「大福の書いた字には味がある」
「力強い」、「縁起がいい」、「魔除けになる」
などなど、
みんなが自分もほしい、ほしいと神社につめかけたのです。
気の向いたときだけでいいから、字を書きに来てほしい、
神主さんにそう頼まれました。
大福は、お供え物をたくさんもらった手前、ことわりきれず、たまに、神社で字を書くことになりました。
今日は、その最初の日。
大福の前には、ずらりと長い行列。
大福は、うでをまわしながら、『大』とか『福』とか『大福』と書きました。
「コロナでバイトがなくなって、がっかりしてたけど、この字を見てると元気がでてくるよ」
お兄さんがいいました。
「これ、うちに貼っとく。なんだか、コロナが逃げていきそう」
お姉さんがいいました。
みんな大喜びです。
それをみていると、大福もうれしくなりました。
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