「雨の日の友達」 はらまさかず
雨がつづいて、お外で遊べません。
「つまんないな」
のぶくんは、ぼんやり、外をながめていました。すると、雨のなか、楽しそうに遊んでいる男の子がいました。知らない子です。のぶくんがよーく見ると、ふしぎなことに男の子はまったく、雨にぬれていませんでした。
「おーい」
のぶくんは、男の子をよびました。
男の子は、ちょっとかわった走り方でやってきました。やっぱり、雨にまったくぬれていません。
「どうして、雨にぬれないの」
のぶくんがききました。
「雨のつぶとつぶの間を通っているからさ」
男の子がいいました。
「そんなことって、できるかなあ」
「かんたんだよ。
雨のつぶとつぶをふんで、のぼっていくことだってできるぞ」
男の子はそういって、雨のつぶをふんで、階段のようにのぼっていきました。
そのまま、ぐんぐんぐんぐん、男の子はのぼっていき、やがて見えなくなりました。
(あの子はもしかしたら、雷様の子どもかもしれない)
と、のぶくんは思いました。
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