「モモンガのポスト」 はらまさかず


 うさぎが、ひなたぼっこをしていると、モモンガが飛んできて言いました。
 「ねえ、人間にはどうして、手紙がとどくのか知ってる?」
 「知らない」
 「ポストがあるからさ。ぼく、ポストつくったんだ」
 うさぎが見あげると、モモンガの木には、大きなポストができていました。
 「すごいなあ」
 「これで、明日から、たくさん手紙がとどくよ。」
 うさぎは、いいなあと思いました。
 「手紙がとどいたら、うさぎにも見せてあげるね。」
 「うん、ありがとう。」
 うさぎは、わくわくしました。
 
 それから、モモンガは、毎日ポストをのぞいてみましたが、手紙は入っていませんでした。みんな、ポストができたことを知らなかったのです。
 ある日、なにげなくポストをのぞくと、一通だけとどいていました。急いであけると、そこには、こう書いてありました。
 「いっぱい手紙とどいた? うさぎより」
 モモンガは、うれしくてうれしくて、すぐに、うさぎのところに見せにいきました。

(作者のことば)
手紙が届くのは、郵便屋さんが集めて配ってくれるからです。郵便屋さん、いつもありがとう。

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