「シャボン玉とんだ」 木村研

 あおいちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんは、向かいの団地に住んでいます。
 学校から帰ると毎日遊びに行っていたけど、今はいけません。
 だから、ベランダにでて、おじいちゃんとおばあちゃんと電話で話しています。
「何してるの?」
と、おばあちゃんが聞きました。
「今ね、そうたとシヤボン玉やってるの」
 そうたくんは、弟です。
 洗剤を溶かした水にストローをつけて、ゆっくり吹くとシャボン玉になります。
「シャボン玉か、いいなあ」
と、おじいちゃんがいいました。
 そうたくんが、
「見えないの」
と聞くと、おじいちゃんが、
「見えないなあ」
と、いいました。
「ここまで飛んでくるといいのにね」
おばあちゃんがいいました。
すると、おじいちゃんが、
「じゃあ。あおいちゃん。シャボン玉の液の中に、砂糖をいれてごらん」
と、いいました。
「砂糖を?」
 あおいちゃんが、液の中に砂糖をいれてシャボン玉を吹いてみると、大きなシャボン玉が、ふわふわと飛んでいきました。
「わあー」
 あおいちゃんとそうたくんが、ベランダのすき間からみていると、シャボン玉は、ふわふわふわふわ、おばあちゃんとおじいいちゃんのうちまで飛んでいきました。
 すると、おばあちゃんが、
「ほらほら。飛んできましたよ。きれいねえ。ありがとう」
と、手をふってくれました。
 あおいちゃんとそうたくんは、何度もなんどもシャボン玉をとばしました。

(作者のことば)
割れないシャボン玉を作ってあそんでみましょう。おじいちゃんやおばあちゃんと会えるのも、もうすぐだからね。頑張ろうね。

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